①嫌いな時間

僕は風呂の時間が嫌いになった。前は君が沸かしてくれていたのを自分でするとわかった。


嫌でも一人になれてしまう空間で、気がつくと「死」がよぎる。何を見ても死ぬ為の道具にしか見えなかった。


早く出て、君の淹れる紅茶を飲まなければ。


部屋の金平糖の命を貪り食わねば。


いや、もうどちらもない。湯船につかり、ポタポタと垂れる水の音がまた一段とうるさく感じられる。


その一定のリズムが、僕の人生を急かす。



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