第6話 夜中のごそごそ
十分な退屈の前では些細な刺激も大きな効果となる。
「牧瀬は人気があるのか?」
「あると思いますよ。客数が多い時間にシフトも入れてるようですし」
「そうか」
「今日は色々ありましたね」
と静川が和久井に話しかける。
「確かに。面白いことは案外日常的に起こってるかもしれんな」
「いやいや、さっきみたいな対応するのはもう勘弁ですよ」
明るい声だが手間が増えたせいか表情に疲れが垣間見える。
それから程なくして二人はカフェを後にした。
「ここだったか?」
和久井は牧瀬が変容したことに興味をもっていた。古い写真なんてものは当然なかったから古い書類を探していた。今の時代、ほとんどがデータ化されているので紙が乱雑に積まれてある中から探すことというのは少ない。大事な書類ほど整理されて保管されている。
苦戦せずに見つけた一枚。履歴書だった。日付は4年前となっており、和久井は改めて時の経過を感じた。感慨に浸り終えるととあるアイディアをひらめく。
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