第22話 12月23日
「アルメッシュ少佐。ご無事で」
「無事なものか。あいつ、本気でこちらを撃墜するとは。それも陸戦用の改造をしていないだと。本気か?」
「私どもも、こんな事態になるとは思いもしませんでした。宇宙用でもここまで戦えるとは……」
メカニックからしてみても、珍しいことだと告げる。
「機銃の応用でミサイルを撃ち落とすとはな」
「ところでそろそろクリスマスですね。どうします?」
「は。おれは娘の喜ぶ顔が見たい。休むに決まっている」
アルメッシュはそう言うと、AnDから降り、整備班にAnDを任せる。破損した脚部と翼を見上げる。
痛々しい傷口を見るように、アルメッシュは視線をそらす。
「よっしゃ。これからおれは家に帰る。しっかりと整備してください」
「はい。分かりました。ちょっと時間がかかりそうなので、ゆっくりとお待ちください」
「そうか。アルメッシュ少佐は、明日休暇か」
「はい。生まれたばかりの娘をかわいがっているので」
「そうだな。明日のイブには丁度いいのかもな」
俺はぼーっとした頭で格納庫へ向かう。浮かれているわけではない。戦闘で消費した精神がそうさせているのだ。
「しかし、無茶をしますね。宇宙用の機体でここまで扱うなんて、まるで鬼のような戦いかたです」
「無理をしすぎたな。少し休む」
「そうしてください。ホント、どうやって戦ったんだか」
呆れたような顔をする整備班。
「俺はプログラムをいじり、地上用に応用しただけだ」
「それが無茶ということです」
ため息を吐く整備班。
俺のしたことは確かに無茶、無謀とも言えることだが、できると確信していた。だから挑んだのだ。
しかし、明日は
「イブか」
※※※
クリスマスイブのイブということで、戦闘シーンの終わりを書いてみました。前日の続きです。
内容的には無理やり地上用に書き換えた主人公の頭のおかしさを描きました。プログラムを書き換えるなんて、システムエンジニア――ここでいう整備兵のやることですから。
普通は戦闘中に書き換えるなんてできない、というところを書きました。ガン〇ムでもありましたが、かなりの無茶ですね。
クリスマスイブとクリスマスは、ちょっと毛色の違う雰囲気がだせたらいいなーと思ってますが、どうなのでしょう。
あまりクリスマスを意識して書いたことがないんですよね。
でも書いてみたいと思います。
ではでは。
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