第8話 僕たちの日常
古屋の前の広場で僕はルーナに膝枕をしてもらっている。寒くも暑くもない、暖かい僕たちだけの空間。僕は仰向けになり目を瞑りながらルーナと会話を楽しむ。ルーナは僕の話を聞きながら、先ほど一緒に摘んできた花々を僕の髪の毛に挿して遊んでいる。
「ジュアの頭がお花だらけになったよ。」
ルーナは少しおかしそうにクスクス笑う。
「あはは、君にもやってあげるよ。」
ルーナは僕の膝の上に頭をつけ笑顔で目を瞑っている。僕は彼女の美しい毛並みに優しく花を挿していく。
彼女に会うとダンジョン探索やクエストでクタクタになった体は何処かに吹っ飛んで、とても元気になる。どんなポーションよりも効くんだ。
「さあ、出来たよ。」
お互いの頭はお花だらけ、そしてそのままお弁当のサンドイッチを頬張った。
でも、ルーナのことは父さんや母さん、パーティのみんなには言えない・・・、僕たちに立ちはだかっている壁、それは決して交わる事のできない階級の差。彼らが知ってしまえば、ルーナの命が危ない。
ルーナを都市に連れ帰りもっといい生活をさせてあげたい。でも彼女のためにはならない・・・、だから僕は毎日の様に彼女の古屋に通った。
「ルーナ、僕は君の事を愛しているよ。」
こんな日常、ずっと続けばいいのに。
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