第3話 あいつの

警察が、うちに来た。

あいつの死についてだ。遺書もないから、殺人って可能性もあるって踏んでるらしい。

けど、警察官も、自殺だろうとは思ってる、と俺に告げた。

何かわかったら連絡ください。と、俺に警察署と刑事さんの電話番号が書かれた紙を手渡された。

俺だって、何かわかるなら……。

と思い、くしゃくしゃに紙を丸めた。

あいつは本当に何も残してないのか?そんなことありえるのか……?

あいつのことだから、きっと、何かは残してあると俺は思う。

誰にも、何も迷惑をかけたくない。

そうずっと言っていたあいつだ。そのあいつが、何も残してないとは思えなかった。

……そうだ。俺には、まだ出来ることがある。

あいつが遺した物を、見つけよう。

きっと俺なら見つけられる。

俺は、あいつに貰ったものをいれてある箱をクローゼットから取り出した。

箱を開けると、手紙や写真がたくさん。

なにか、ここに手がかりはないのか……?

あいつの、言いたかったこと、遺したかったこと。

俺は、全てのものを貰った順に並べてみることにしようと思った。

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