第13話 閑話キャスリーン・リンデンバルクですの

わたくし、リンデンバルクの第一王女ですの。

11歳です。

わたくしの国は北に位置していまして、とっても寒い国ですの。

鉱山ばかりあって、作物が全く取れない土地です。

暖炉の薪すら満足に取れません。

温泉があるのでなんとか地熱を使って、暖をとっています。


食料は隣国モンテバルクに頼っています。今年は、モンテバルクが凶作で食料が確保できないので、大海湖(海のように大きな湖なのでそう呼ばれています)を挟んだ国グーテンバルクに食料の援助をお願いしに来ました。


お父様達が皇帝陛下や行政官とお話ししている間、お邪魔でしょうからメイドのナーニャと芸術祭という催しにやってきたのです。

とても感動しました。


リンデンバルクでは、学院というものがありません。

本当に、毎日生きていくだけで大変なので学業まで充実していないのです。

我が国にもこういった施設があれば、楽しいのにと思ってなりません。


ところが武闘大会の終わりも近づき、早めに王宮に戻ろうとしたところを襲われました。

ナーニャが壁に飛ばされて、もう無理と諦めた時に赤い髪の女の子が助けてくれました。

4人の男の人をあっという間に倒してくれて、震えていたわたくしにマントをそっとかけてくれました。


同性ですが、ドキッとしましたわ!


名もわからないあのお方のおそばに居たいと思いました。

本当に王族と言っても民族長に毛が生えたようなものですが、使える肩書だけでも使って調べることにしました!


ところが難航しました。

学院1年生に赤い髪の女性は何人もいるそうです....。

騎士のように強い女性だと伝えても、そのような女性はいないとのこと。


ならば自分で探しましょう!!

騎士科に留学すればわかるはずです。早速手続きです。


1学年がもう直ぐ終わる頃、学院からそれらしい人物がいると連絡を受けました。

お話を聞くと、きっとあの時の方だと確信しました。

投げナイフの正確さ、判断力の速さ完璧です。私もおそばで活躍を見たかったですわぁ。ふぅ〜。


学院長室でお会いした方は、炎のような赤い髪と、......顔立ちは....平凡な方でした。

特徴といえば髪くらいです。

ですが、お話ししてみてこの方だと確信しました。


あらでも、この方文官科を希望してらっしゃったみたい?

どうしましょう、わたくし騎士科にしてしまいました。

でもこの方の剣をふるう姿が見たいですわ。

騎士科の先生も乗り気なので、うんそのまま騎士科にしましょう。

よろしくお願いしますね、アリスン様♪

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