静かで寒々しい冬の森にある死体安置所では、少し心温まることが起きている。主人公イルミナはこの新たな職場で無口な同僚、ザックと共に日々の大半を単調な作業をこなしながら、過ごしている。そして時折来る「埋葬」の依頼では、ちょっと不思議な事が起こる。本作はそういった、クラシックとも言えるようなファンタジー作品である。
確かな文章力で丁寧に紡がれた物語であり、寂し気な風景の中に灯る小さな明かりのような印象を受けます。六話まで拝読させていただきましたが、これから何が起き、イルミナとザックの関係がどう変化していくのか、大変続きが気になる作品です。