第6話 同人誌
第5話に出てまいりました『本名が掠りもしないニックネームで呼ばれていた謎の図書室仲間』のタカコ、イチコ、タンちゃん。
なぜ彼女たちの名前を出したかというと、この6話目で書こうと思ったからなんですよ。
web小説サイトなんか見てるとそうなんですけどね、最初読み専だった人がある時「自分も書けるんじゃね?」なんて思っちゃう。それで作家の真似事を始める。
自分の書くものも誰かに読んで欲しい!ってね。
まさに創作意欲に火がつく瞬間です。
真っ先に火がついちゃったのはタカコです。彼女はイラスト上手かったんで、マンガをよく描きました。栗本薫を私に勧めたくらいですから、もちろん小説も読みます。だから掌編も詩も書いてました。
誰かに読んで欲しかったんですね。仲間内で書いて回し読みを始めました。
そこにタンちゃんがのっかった。彼女も掌編を書いてました。更にイチコが掌編を書き始めました。彼ら3人は私と違って本物の活字中毒者でしたから、掌編なんかサラリと書いちゃうんです。
そこでタカコは同人誌を思いつくのです。タカコ、タンちゃん、イチコ(イチコは棒人間の4コマ漫画を書いてました)、後輩のタヌキ(もちろん名前は掠りもしません)ともう一人くらい巻き込んでいたんじゃないかな、作り始めました。マンガ、掌編、詩で構成されたものでした。
素人の作るものですからね、自己満足でいいと思いました。私は専ら読者でした。
そこに誘われたのです。「あんたも参加せんか」と。
マッハで断りました。いや、光速超えて断りました。光速超えちゃったんで、図書室に時空の歪みが発生しました(しません)。
どれだけ誘われても頑として断り続けました。私の書く文章は人に読ませるようなレベルではなかったからです。それはこのエッセイを見てもわかると思います(凄い説得力、むしろ破壊力)。
あれからン十年、当時頑なに断り続けた私が「カドカワさんから本出したんだけどねぇ」と言った時のタカコ、大爆笑。ソッコー買ってくれましたが(笑)
同人誌を作ってた人達は普通の主婦になっちゃいました。もうあの頃の情熱は残っていないかもしれないけれど、残っているなら小説投稿サイトで書くのもいいんじゃないかなと。全くやる気のなかった私がこうして印税貰ってるんだから。
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