第3話 美容院で働くAさんから聞いたお話。

 このお話は、近所の美容師Aさんから聞いたお話です。

 Aさん自身には霊感が無いそうですが、学生時代の友人Bさんと、一緒に働いていた美容師仲間のCさんには、霊感があるそうです。


 ● Bさんが小学生の頃の話。


 Bさんは人のオーラが見えるらしい。赤や黄色や青色と、様々な色が見える中、同級生の一人が眩しいくらいに光っていた。眩い光に包まれた同級生は、一体どんな人物なんだ?とBさんは疑問に思ったそうです。


 翌日、同級生は事故で亡くなった。


 Bさんは、Aさんにこう言ったそうです。


「ロウソクが消える直前、一瞬火が強くなる時あんだろ?たぶん、人が死ぬ前も、そんな感じで一瞬光るんだろうな」



 ● Bさんが小学生の頃の話。


 それは、ある日の授業中での出来事だった。

 授業をしている先生に、黒い影が付きまとっていた。影は先生が移動すると一緒に付いていき、決して離れようとしない。幽霊であることはわかるが、なぜ先生に付きまとっているのかわからず、その日は終わった。


 それから何日かして、先生の妹さんが亡くなっていたことが分かった。

 亡くなったのは、先生のもとに影が出現した日であった。


 きっと、先生に最後に会いたかったんだろう・・・。そう、BさんはAさんに伝えたそうです。



 ● Aさんが昔、一緒に働いていたCさんから聞いたお話。


 Cさんは、ちょっと霊感がある人。

 新人の頃、働いていた美容院の雰囲気がどことなく嫌な感じがしたそうです。

 昔から感じやすかったCさんは、店内のどこかに幽霊がいるなと思い探してみると、納得した。


 女の人が、店のある一角に佇んでいる。


 幽霊いる・・・と思いながらも、入ったばかりのお店をそんな理由で辞める訳にもいかず、なるべく意識しないようにして、しばらくそのまま働き続けたそうです。



 ● Aさんが昔、一緒に働いていたCさんから聞いたお話。


「ねえ、A?ちょっと話聞いてくれない?」


 そう言ってきたCさんは、こんな話を聞かせてくれたそうです。

 新人の頃働いていた美容院を辞め、今の美容院で働き始めた。

 寮付きの美容院だったため、職場に近くて便利だったが、わざわざ遠回りして出勤していた。遠回りの理由として、近道するときに通りかかる神社を避けるためであった。

 それを聞いたAさんも、神社を避けて出勤していた。


「確かに、あの神社ちょっと嫌な感じがするよね」


「だよね?多分、Aも私と同じタイプだから、そうするだろうなと思って話したんだよね」


 Aさんは霊感もなければ幽霊も見たことないため、それに関しては同意できなかったと伝えたそうです。

 ある日Cさんは、遅刻しそうになったため、本当は嫌だったが、神社がある近道を通って出勤した。なるべく意識しないように通り過ぎ、遅刻を回避できたその日の夜、金縛りになった。

 目だけが動くため、きょろきょろと辺りを見渡していると、一人暮らし用の冷蔵庫の上に、落ち武者が正座してこちらを見ていた。


 Cさんは、職場から少し遠いアパートに引っ越したそうです。

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