第9話 補習

その日は、夏休みの最初の日だった

外には、美味しそうなクレープを食べながら

座って楽しげな会話をしている友達同士の

女子高生、

炎天下の中、全力で50m走をする陸上部

楽しそうにお出かけしている家族

みんなとても満喫していた。

そして俺は…


職員室の前に立っていた

そう、俺は、いつものように補習の範囲を

聞くために先生の元へ来ていた


こんなことがあっていいのか、、、 


一人でそんな卑屈な考えに浸っていると

廊下から桜野先生がスタスタと歩いてきた

桜野「あ!時井くん!やっぱり来てくれたんですね!」

俺「まあ、こないとホントに単位が、」

桜野「確かに進級することや単位も大事

なのですけれど、先生は、みんなが元気に

学校に登校してくれればそれで満足です!」


この教師の理想像のような考えに甘えている

生徒が数人頭に浮かび上がってきたが、

俺は、あいつらとは、違う

桜野「さてさて、次の補習の範囲は、ですねー…」

桜野先生が、長々と説明を始める

まあ、有りがたいのだが

桜野「ここまでが範囲になります!対策としてこの練習プリントをやれば確実に通ります!」

なんだこの大量の紙の束は

桜野「それでは、1週間後のテストでまた会いましょう!」

そういって先生は、職員室の中に入っていった。

俺「まあ、帰ったらやるしかないかー」

少し面倒だが、一週間がんばるだけで

進級出来るのならやらない手は、ない

そう思って俺は、夏休みの最初の一週間

暑い部屋の中でひたむきに勉強に取り組んだ


そして一週間後、俺は、テストを受けた

桜野「はい!そこまで!」

まあ、さすがにここまでやれば通るだろう

一応、先生が作ってくれた対策プリントは、

全部、目を通したしこれで大丈夫だ

桜野「では、明日の午後、時間別に職員室に来てくださいねー!」

一同「はーい!」

よし!そろそろ帰ろっかな

そう思いバックを肩にかけ立ち上がった

その時、

萩井「よ!これからwacでもいこーぜ!」

俺「お、おう」

急に声をかけられたからビックリした

こいつの場合は、テストに来ただけすごいから、もう合格でいいんじゃないか?


そしてwacについて俺らは、バーガーセットを頼み席についた

萩井「テストどうだった?」

俺「まあまあかなー、お前は?」 

萩井「全滅」

俺「一問も?」

萩井「一問も」

まあ、仕方ないか


その後、俺たちは、互いのの帰宅路に別れ

家に帰っていった


俺「残りの夏休みどうすっかなー!」

懐かしさと期待が相まって良い意味で

不思議な気分になった

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