Ep3 絢爛のブラインド // コンタクト

0 // little night : why are you?

 演目は、確か“ロミオとジュリエット”だった。

 最後にやった演劇だ。中学生だったか、小学生だったか。具体的な記憶は日々薄れていくけれど、――いや、もしかしたら、忘れたがっているけれど、それでも、その童心の呵責は覚めやらない。

 ねだったのだ。演劇をやる。ヒロインになった。見に来て欲しい。そう、両親に。

 その劇は、だから――悲劇だった。

 壇上に着飾って立つ少女。まだそれが悲劇に終わる事を知らない少女は、ただ乞い願うように――。


「――嗚呼、ロミオ」

「どうして貴方はロミオなの?」

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