第630話 翌日、王都での話し合いに

翌朝、家族で食事を終えた僕は、王都から戻ったユハニが報告がある、というの早速会う事に。


「公爵様、申し訳ありませんがアルノルト陛下と今後の対策を協議して下さい。」

あれ?

あれ?アルノルト君が何で?

魔王関連だから?


「いつ行けばいい?」

「出来れば公爵様の奥方様のうち、今回の件に関わりのあるお方と共に今すぐにでも。」


つまり日本からの転移者とオイヴィ、そして早紀だな。


「分かった。ゲートで向かうから少し時間をくれないか?」


「では私は先にアーダ様の所へ向かいます。」


アルノルトが僕を王都に呼びつけるって、そうそうないんだよね。

大抵はアーダかザーラが間に入るし、場合によってはヘルトラウダがそう言う役目を担ってくれる。


しかしこの3人は今王都。


特にヘルトラウダは、王都と常山領を毎日のように忙しく行き来している。

流石は元ギルド職員。


僕は時間をくれと言ったけれど、既に友郁達にも話が行っていたようで、僕が声をかける前に既に皆部屋で待ってくれていました。


「私たち昨晩色々話をしたのよ。やはり日本の事が気になって。」

「順平さん、既にアーダさんにも私達の昨晩の話し合いの結果は伝えているのよ。やはり日本の調査はしたいわ。」


友郁と泉がそう言ってくれるんだけど、やはり危険があるから慎重にしたい。


「順平さんが慎重になるのは分かるんだけど、それを含めてアーダさんから提案があるんだって。」

「そうだ順平!何か知らないがその提案乗ろうじゃないか。」

瑞華がそう言って柚奈が暴走気味。


「わかったよ。先ずは王都で話をしよう。」


・・・・

・・・

・・


「すまないな義兄上!」


何故かアルノルトが出迎え。


まあ城に向かえば大抵こうなるんだけど、アルノルトは自分がこの国一番の権力者だという自覚をもっと持ってほしいね。


「いつも言っているけど、王たるものが義理の兄とは言え家臣を直接出迎えるのはいかがなものかと思うんだけど。」

「そうは言っても義兄上はわが国を救った英雄なのですから、これぐらい当たり前です!」


「アルノルト、これぐらいでいいだろう?」

アーダが弟を諫めます。

「そうは言っても姉上。私としては義兄上こそ国王にに相応しいと・・・・」

「こらアルノルト、今は身内ばかりだからいいけれど、そんな事を間違っても他の家臣の前で言っちゃだめよ!」


ザーラが弟を叱っている。


アルノルトを諫める事の出来数少ない2人。

姉のアーダとザーラ。

今は殆どずっと城でアルノルトの補佐をしている。


「時間もないから早速今回呼び出された用件を聞きたいんだけど。」

「順平殿、それについては私から提案しよう。」

アーダが説明してくれるらしい。


「友郁殿や泉殿からの報告があったので、こちらからも色々検討をしたのだが、順平殿が元居た国と行き来ができる可能性があるとか。しかし向こうの状態が不明。さらに向こうの国からこちらに戻れば何らかの疫病などが発生する可能性があると。であれば向こうへ人を送り付け、そのまま向こうで人物を送るしかあるまい。」


今アーダがものすごく物騒な発言をした気ががする。いやした。


「アーダ、今物凄く物騒な提案をしたよな。いったい誰を向こうに送り付けるんだ?言っておくけど未知のウイルス、この場合病原菌と思ってくれていいけれど、をこちらに万が一運ぶ危険性があるし、それよりも放射性物質の脅威だ。こちらも目に見えないからアーダが思うより相当危険なんだ。だからおいそれと人を送れない。」


「それに関してだが順平殿、こちらからある程度頭の回る人間を複数人送るのだ。そしてそこで暮らしてもらう荷を送れるのであれば食料不足で死ぬ事はあるまい。向こうで暮らす場所はあるのだろう?」


「アーダ、君はどう思っているのかわからないが、最悪向こうで放射性物質に晒されてあっという間に命を落としかねないんだ。だから僕も向こうに行く事は躊躇している。全く事情が分からないし、向こうの情報は目視でしかわからなかったけれど、状況はあまり芳しくないんだ。」


「であれば簡単な事だ。死を待つ犯罪奴隷を送ればよい。」

犯罪奴隷?


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る