第625話 魔王城
早起の案内で魔王の居城【魔王城】へ。
あれ?
早起は迷う事なく最短と思われるルートでお城の前へ。
そして何の妨害もなく、呼び止めも確認もなく場内へ。
あれれ?
お城の入り口って門番とかいないのかな?
「なあ早起、僕の常識から言えば、城門って門番とか誰か守っている兵士とかいるんじゃないの?」
「ええぇ?誰でもいつでも入れるよお?ただしい、あたいのお部屋に無断で入ろうものならあ・・・・」
「入ろうものなら?」
「一瞬でねえ、首ちょんぱだよお。」
・・・・早起の部屋はトラップ部屋のようです。
「あとねえ、【魔王たるもの守られてどうするのだ!】が魔王だったお父さまの信条だったからねえ。基本守りはないんだよお?」
・・・・たいした自信。いや何かあるのかな?罠を仕掛けまくってくれた魔王とその側近。
なのでこの城にも罠がてんこ盛り?早起の部屋とか・・・・
「・・・・と言うのは建前でねえ、本当はあ・・・・」
「本当は?」
「兵士に守られた魔王とかあ、魔族は誰もついてこないんだよねえ。」
「ああそうなるのか。」
魔王とは魔族の中で一番力がある・・・・あるはず。
「だからあ、お父さまを消滅だったかしらあ?それを実行した人間ってえ、多分だけどおこの街に辿り着いてからはあ、誰にも遮られるれる事なくう、お父さまの所まで来ちゃったんだと思うわあ。」
あれ?だけど他にも強いのいないの?ああ、側近とか?いや側近も一緒に消されたんだったかな。
「なあ、早起のお母さんとかいなかったのかい?」
「とっくの昔にいなくなっちゃったわよお?死んじゃったのかあ、お父さまに愛想をつかしたのかはあ、知らないけれどねえ。」
うーん、そんなものなのか・・・・あ、そう言えば魔王って部下に四天王とかいるんだよね?
僕は魔王といきなり対峙したけれど。
「なあ、魔王の部下に四天王とかいなかったの?」
一応聞いておこう。
「四天王?4属性の頭の事かしらあ?」
あ、いるんだ。
「あれはねえ、地下深くに潜っちゃっててえ、あと100年は出てこないわよお。」
・・・・一体何の為の四天王なんだか。
そんな事を話しながら進む僕と早起、そしてオイヴィ。
早起のトラップ部屋には寄らず、玉座のある場所へ。
で、そこで見たのは・・・・
「なあ早起、何もないんだけど。」
玉座とか絨毯とか、何もない。
「あれえ?」
早起は首をかしげてる。
確か早起は魔王が消滅したのを確認してるはずなんだけど。
もしかしてそこまで気がまわっていなかった?
で、これってもしかして、章君は魔王が座っている椅子ごと消滅させちゃったんじゃ?
まあどうでもいいんだけど。
「順平殿、変な魔力の残滓を感じる。」
今まで黙って付いて来ていたオイヴィがそんな事を。
「変な魔力の残滓?」
「恐らく章殿が放った消滅魔法なのかスキルなのかはわからぬが、その残滓だろう。」
章君が魔王を消滅させてからそれなりの時間が経ったはずだけど、まだその名残があるんだ。
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