第624話 これってダンジョンじゃないの?

早起が言う所のおっちゃん曰く、

「この場所は魔王様が偶然見つけてなあ。だから魔王様はここを拠点にしたんだが・・・・何でお嬢は知らないんだ?」

「お父様はそんな事私に言わなかったよお?」

「そうなのかい?まあそれなりに時間も経ってるしなあ。」


おっちゃんと早起が話し込んでいるので、その間に周囲を調べるんだけど、何か変だ。


何が変って・・・・


「なあオイヴィ、ここってさ・・・・」

「順平殿も気が付いたのか?どう考えてもここはダンジョンだな。」

「ですよねえ。」


ダンジョンの上に街を築いて、さらにはダンジョンを街にしちゃったとか、そう言うのだろうか。

あ、でも常山領の館ってダンジョンから近いし、似た様なもの?


それに他の都市も近くにダンジョンがある事が多い。

これはダンジョンには冒険者がやってくる事が多く、そうなるとギルドや宿ができたりする。

そして食堂や酒場、他の設備が順次・・・・


ダンジョン付近の街ってこうやって発展したんだろうな。


グビッシュ王国の王都も近くにダンジョンがある事を考えると、きっとそういう事なんだろう。


しかし魔王はダンジョンを丸ごと街にしちゃったみたいだけど、どうやってしたんだろう?


そもそもダンジョンって何?

以前そう言った事を話し合った気がしないでもないんだけど、どうだったかな?


一説によれば魔素の濃い場所にダンジョンがあるとか。

そしてこれは他のダンジョンの事なんだけど、可也の階層のあるダンジョン、下に行けば行くほど強い魔物が居る不思議。


もしかしてダンジョンの魔物って魔素の濃い場所を好む?

そして下のより濃い魔素の場所には強い魔物が陣取る。

そして弱い魔物は上へ上へと押しやられ、結果弱い魔物は上層にいると言った感じ。


成程これならある意味納得。


まあ今更ダンジョンにはいかないから僕的には割とどうでもいい。

冒険者にしてみれば貴重な情報だろうけど。


しかしこの街、ダンジョンだとして、広い。

そして天井が高い?高いというか、空があるんだけど。


今まで潜ったダンジョンにはここまでの規模の空?はなかったはず。

明るいけれど、空もあるけれど作り物の空って感じだったんだけど、これはどう見ても本物にしか見えない。


うーん、ここが元居た世界とは全く違う理なんだなあと感じてしまう。

魔法とか魔素とか、そう言った事柄が中心になって、それが発展した感じ。

地球だと電気とか電子?

昔なら火薬とか。


もう日本に戻る事もないだろうし・・・・ないよな?今更だよな?

多分戻れるけれど今更戻ってどうする?


それよりも戻った世界がかなり危険な気がする。

あっちに行ってもこちらには戻ってはいけない、そんな世界になってしまったんじゃ・・・・


ああ駄目だな何だか最近余計な事を考えてしまう。


「ねえもういい?」


いつの間にか早起が話を終えたようで、僕に話しかけてくれたので考えるのを止める事に。


「ああごめん。で、どうするんだい?」

「お城に行ってみようかなあ。」


「行ってもどうにもならないと思うけど。」


「そうなんだけどさあ、荷物もあるしい。」


まあ早起は魔王の居城に住んでいたんだから荷物もあるか?

「わかったよ。何もなくても荷物は回収しよう。」





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