第626話 早起の忘れ物を回収しつつ、魔王城を後にする

オイヴィの指摘のあった周囲を調べつつ、他に見落としがないかも見ていくが、特に何もない。


「すまない順平殿。私では何も見いだせなかった。」

「いやオイヴィ。ここに章君の放ったと思われるスキルか魔法か分からないけど、その痕跡を見つける事ができただけでも凄いと思うよ。」

「すまない。」


オイヴィは凄い。

僕はこう言っては何だが異変や違和感、そう言った事が全く分からなかった。

気が付けたオイヴィは本当に凄い。

そんな事を思ってると早起が、

「もう飽きた。部屋に戻って荷物を取ってくる。もうここには二度と来ないから全部回収するわあ。」


どうやら早起さんには調査なんかは無理みたいです。


「でもねえ、時間がかかるからあ、案内してあげるう。」

何の事か分からないけれど、いい場所があるらしいです。

「まあ部屋の片づけは時間がかかるし、いい場所があるのならそこで待たせてもらうよ。」

「期待しててえ?」

一体どんな場所なのだろう。


・・・・

・・・

・・


「さ、早紀殿ここは・・・・?」

その、一言で言えば・・・・ラブホ?


怪しげな雰囲気の部屋の中。そこの中心にはキングサイズより大きそうなベッドが鎮座していました。


「お礼はいらないわよお?それとお、ちゃんとシーツは取り換えてあるから安心ねえ。じゃあねえ。」


そんな事を言って早起は去っていきました。

「私の部屋を見たらあ・・・・死んでもらうからねえ?」


あ、言い残した事があるのかそんな物騒な発言をして去っていきました。


「このような部屋に案内をするとか早紀殿は何を考えているのだろうか。」

オイヴィはそんな事を言いつつ、この案内された場所を調べていきます。

そしてその場所の一つに・・・・風呂が。

やはりここはラブホのようです。

しかし僕とオイヴィは夫婦。子も成しています。

今更なのですが、こうして2人っきりでこのような場所にいると、どうしてもその・・・・


「順平殿、その何だか変なのだ。」

オイヴィがもじもじしている。

「今は2人だけだから、そんなかしこまらなくてもいいさ。」

?」

あ、オイヴィがおかしくなった。今何を言っているのか聞き取れなかったし。


そして2人だけの時間が過ぎていく・・・・

・・・・

・・・

・・


「これを見られるわけにはいかないのよねえ。」

早起の部屋。早起は今部屋の中身を全て収納かばんの中に仕舞っている。

そして部屋の中の大部分を占めているのは・・・・


何とも可愛らしいぬいぐるみの数々。

大小100体はいるだろうと思われる。


【こんなの恥ずかしいから見せられないのよねえ。】


意外と乙女な早紀だった。


そして早起が無事?全てを回収し、再び3人になった順平一行は魔王城を後にした。




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