第610話 日本人の妻子が全員集う
早起がどんな説明をしたのかわからないけど、すぐにゲートから早起が現れました。
「ユハニってのに伝えといたわよお?」
「ありがとう。まあ暫く待って、誰も来なかったら僕も様子を見に行くよ。」
そうは言っても画面から見える町の静けさに、僕は嫌な予感が。
どうか外れますようにと知らず願っていました。
僕も早起からカメラの操作を教えてもらい、色々見ているのですが、操作は簡単で見たい場所をすぐに拡大して見えたりするのですが、そこには何台かの車の姿が映されていました。
車のナンバーは●△という名前が5台ほど見えたので、きっとこの地域のナンバーなのでしょう。
そして車の近くには国道と思われる道が見えました。
国道□◇線。
片側1車線ですが、それなりに車が通行しそうな道。
しかしそこに動く車は見当たりません。
あまりにも不自然な静けさ。
そして高度を上げて周囲をうかがうも、車の動きが見えたりません。
バイクも人の姿も見えません。
ただ、このカメラは向こうの施設?からしか映せないようなので、カメラの角度のせいで全てを見る事はできません。しかし大体わかってしまいました。
何かが起こったのだと。
ただ、ここだけ見ても分かりません。
何かあって避難しているだけかもしれません。
僕はどうやら周りの変化に気が付かないほどに夢中になっていたようです。
夢中というより一心不乱?集中?まあどうでもいいのですが、ふと気が付けば友郁と泉が僕の隣にいました。
「じゅ、順平さん、これは一体なんですか?」
友郁が詳しい事は分からないままここにやってきたようで、僕に聞いてくるのですが、どう答えたらいいのやら。
僕は画面から目をそらし、妻達を見ます。
「何から説明したらいいのかわからないけど、今映っているのはたぶん●△県の様子。」
「え?順平さん、これは今の日本の映像なのですか?」
泉が驚いて聞いてきます。
「わからないけど、早起が言うのを信じれば今皆がいるこの施設と、この映像の場所は繋がっているらしいんだ。で、画面は向こうの施設に設置してあるカメラからの映像という事みたい。」
今度は柚奈が僕に問い質します。
「順平!これはライブ中継なのか?もしそうならおかしい!これだけの道に何故車が一台も通らないのだ?」
「柚奈さん待って下さい。順平さんが真っ青な顔をしていますから。順平さんも少し休んでね?」
瑞華がそう言って僕をいつの間に用意したのか椅子に座らせてくれます。
あれ?麻矢と雪華は来てないの?
そう思ったら子供達に囲まれてました・・・・
そして僕が休んでいる間に誰かがカメラを操作しているようです。
友郁や泉達の声が聞こえます。
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