第611話 どうやら他に3か所あるようだ

僕はふと気になりました。

ここの施設、メインのゲート?これ4分割されてるんだよね。

つまり他に3か所あるって事?


「なあ早起、ここって4つに分かれてるけど、他の3つはどういうふうに活用するんだい?」


もしかして全部で4か所あって、これは相互に移動できるとか?


「これえ?これはまあわかると思うけどお、別の場所に行けるよお?行ってみるう?」

「念のため、別の場所ってこの世界の大陸って事?」

「あんたのいう大陸ってえ、あんたが魔大陸、って呼んでるこの大陸って事ならあ、そうよお?」


「よし行こう!で、行った先でも同じように日本と繋がっているのかい?」


「そうねえ、あっちと繋がってるけどお、場所は少し離れてるかなあ?」

思った通り。これで別の場所も確認できるから、できれば4か所とも確認して日本の現状を確認しておきたい。

もし放射能で汚染されていたら行くのは無理。

そしてもしウイルス等で人間が死滅していた場合も、こちらの世界にそのウイルスを持ち込む危険性があるのでそれも無理。

向こうに戻って確認できればいいけど、危険すぎるリスクを負ってまで戻る必要は無いわけで。


「じゃあ誰が行くのお?」

そこでふと考えました。全員で行くか、それぞれ残ってもらうか。

だけど万が一、例えば友郁が自分にとって価値のある、若しくは確かめずにいられないようなものを見つけてしまった場合、思考能力が低下、若しくは視野が狭くなって日本に行ってしまう危険性があるのではと悩んでしまう。

じゃあ2人ずつにすれば?


例えばここには雪奈と麻矢が。

友郁と泉。

柚奈と瑞華。

僕とオイヴィ。

・・・・そうしようか。


因みに早起は僕と一緒に行動をする。

そしてお互いの監視及び抑止的な効果で言えば早起は役に立たないから僕はオイヴィと伴う。


子供は各自で連れていく感じかな。


・・・・

・・・

・・


組み合わせも元から仲が良かったり、相性が良かったりで問題なく決まりました。

最後はここに戻る事になり、何があっても時間を決めて戻るようにと。

それに関しては特にオイヴィが釘を刺されました。

どうやら僕につきっきりになる事から、しかもオイヴィには日本に対する思い入れがないので、僕を律するのに一番適しているからだとか。

ただ、僕が何に反応するのか分かりにくいという欠点もあるにはあるのですが、先入観なしに僕を監視できるからいいでしょう、と。


結局良くも悪くも僕は3つをそれぞれ1時間だけ確認する事となりました。

短いようだけど、それよりもっと見るとなるといくら時間があっても足りないだろうからと。


そしてもっと細かい事は残った2人がそれぞれ見ますよ、と。


「ねえもういい?行くよお?」


何を基準に選んだのか分からないけど、早起は時計回りに選んだようです。

最初に残ったのが友郁と泉。

それぞれ色々見てみますとの事。


で、次の場所もほとんど同じで、どうやら違う場所に設置されている様子。

ただ、山の中っぽく最初カメラを高くしていっても、周囲は全て樹木しか見えず、さらに高さを増すとようやくここが山の真ん中とわかる程度で、これは街を見つけるのも苦労しそう。


30分ほど格闘してようやく見つけた道。

さらに高度を上げていくと、コンビニらしき建物を見つけます。

コンビニがあるんだから、もう少し粘れば集落が見つかる?


だけど1時間の制限では殆ど何も発見できませんでした。

「時間だってえ。次に行くよお?」

早起は他の面々に建物の中を案内していたようで退屈はしなかったみたいだけど、彼女は退屈するとせっついてくるからなあ。

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