第608話 衝撃の事実

「さ、早起、今のはどういう事かい?」

「あっちの事お?あんたのいた世界の事だよお?」


・・・・え?何言ってんの早起。

「それはつまり日本に繋がっているって事なのか?」

「へえ、あの世界は日本って言うんだあ。あっちってさあ、魔素がないからさあ、行ったはいいけどすぐに戻らないとあたしら直ぐに死んじゃうんだよねえ。度胸試しでえ、どれだけ留まれるかって時々さあ、頭のいかれた連中があっちに行くんだけどお、いつまでたっても戻ってこないから様子を見に行くんだけどさあ、たいてい周りで死んでんのね。」

「早起も行った事があるの?」

「あるよお?10分ぐらいでこれはあかん!って思っちゃったからさあ、すぐに戻ったけどお。」

何て事だ・・・・

あっちに戻れる?

戻りた・・・・いのか僕は。

今更戻ってどうなる?

この世界には沢山の家族がいる。

爵位もあるから領地がある。

そして領民と家臣も。

そんな人達を放って戻る?


僕が独り身や、妻も日本人が一人ならそれも有かもだけど、日本人の妻も6人いるし、それぞれ子供がいる。

今更だけど、一度相談する必要があるなこれ。それよりももし僕が向こうに行ったとして、無事に戻れるのだろうか?

あとはあっちで普通に過ごす事ができるのか?

あ、それに早起が他にも言っていた事も気になる。

魔大陸にはこれと同様の施設が他にも在るような事言ってたよな。

「なあ早起、ここと同じような場所がまだ沢山あるって言ってたよな。」

「ん?あるよお?ここと同じぐらい魔素が濃ければあるわねえ。どうかしたあ?」


日本で化け物じみた何かが現れたって事は・・・・なかったよな。

早起も見た目では魔族ってわかりにくいし。

単なる何処の国の人か分かりにくい外人だしね。


「いや気になって。それとこれは向こうが見えたりできるの?」

「見たいのお?」

「出来れば見たい。」

「まあこれだけ魔素があれば暫くは見えるかあ?じゃあやってみよっか。」

早起は机の上の端末に手を触れると何やら操作を始めていきます。

すると壁の枠に何かが映り始めました。

どうやら大型のモニターのようです。

暫く森の中を映していましたが・・・・そうか、この施設の先は、日本の方では森の中なんだ。だから突然異世界から人がやってきても誰も接触しないんだな。

だけどおかしいな。

衛星があるから航空写真で上から見れば訳の分からない建造物が発見されそうなんだけど。

あ、もしかして単なる移動手段の必要最低限の場所だったり?若しくは洞窟だったりとか?

森の中の場合でも、周囲の木々よりはるかに低ければ航空写真でも衛星でも発見できないか。

そんな事を思っていたけどどうやら早起は首をかしげている。


「ねえ、なんかあっちが変だよお?」

え?変って・・・・早起が変って言うのだから余程なんだろう。何?

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