第602話 常山領から家臣が陸続とやってくる

ユハニに状況を説明(主に魔素の濃度)している間に、何故か家臣が陸続とやってきた。


当然小屋に入りきらず、ゲートから現れてはすぐに外に出て行くが、100名ぐらいやって来たのではなかろうか?


「なあユハニ、なんでこんなにいきなり家臣が来るんだ?」


「万が一がありますと困りますので、こうして精鋭を連れてきました。ここと後2か所ほど拠点を設けましょう。」


言っている事は分からないでもないけど、こんなに沢山連れてくるってどうなの?周囲の調べもほとんど手付かずだし。

単に気配を探ったり、魔法で調べただけだから、もしスキル等で隠蔽してたりしたら危ないんだけど。


そして気が付けば数人が行ったり来たりしている。ユハニは何か知っているの?


そして最後にやってきた家臣は収納かばんに何やら魔道具を入れてこちらにやってきたようで、


「公爵様、これは魔素を魔石に変換する魔道具でございます。」


「そんなのあったの?」


「アーダ様のご指示です。国宝ですので扱いにはご注意下さいとの事です。」


・・・・複製しとこう。


「そうかありがとう。この魔素なら簡単に複製できそうだ。ちょっと待って。オイヴィ、今から複製をするから、万が一の時は頼むよ。」


「わかった。」


僕はこの魔道具をスキルを用い複製していきます。


こんな・・・・ノートパソコンの方が複雑だな?だけど中々に手こずりましたが、複製成功。これを何度か繰り返します。

いやあ、なんでこんなのあるの?

というかあるのなら魔素の濃い場所で運用すれば魔石がザックザック・・・でも国宝なんだったら、簡単に使わないのだろうから何かあるのかな?


「この魔道具の注意点は聞いてるかい?」


これを持ち込んだ家臣に聞くと、

「魔素が濃い場所でないと魔石は得られないそうで、アーダ様の話ですと常山領での起動も怪しい代物らしいです。ダンジョンの最深部であれば魔石が得られるかもとの話ですが、ここであれば可能では?という事で急遽宝物庫から探して下さったようです。」


それはありがたいけど大丈夫なのかな?

まあいいや。小屋の魔道具、明かりの奴は夜だと目立ちそうだからこれに替えておこう。


結局最初にゲート用の小屋を用意した場所から数キロ離れた場所に2か所、小屋を設置しました。


そして念のため領地ではなく、魔大陸と今までいた大陸の近い部分にもゲートでの行き来ができるようにしておきます。

万が一があって常山領によからぬ敵を侵入させないための措置です。

しかし早起の話だと、

「この辺には何もいないわよお?」

そう言えば一応安全な場所を選んでもらったんだっけ?違った?


「何もいないって?」


「ここに行き来する場所作るんでしょお?だからあ、魔素の濃い場所をお、教えたのよお。ここはねえ、魔素が濃すぎてえ、誰も近づかないのよお。」


「だったら最初からそう言ってほしいな。ポチが危険に晒された。」


「それに関してはあ、ごめんねえ?私なら耐えられたからさあ。どらちゃんにはきつすぎたわねえ。」


「人にはいいのかい?こういっちゃあ何だがねっとりとして気持ち悪いんだが。」


「問題ないわあ。あ、これからどうするのお?」


「一応安全を確認してからだが、そうだな、早起の父親、つまり魔王の拠点に行けるなら行っておきたい。但し僕とオイヴィの健康に影響がなければだがな。」


「うーん・・・・それは何とも言えないなあ?」


魔大陸にはやってこれた。しかし先に進むのは何だか色々怪しい。どうすべき?

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