第603話 魔大陸に適応すべく

ユハニは更に職人を沢山呼んでいたようで、気が付けば森に平屋建てながら立派な館が出来上がっていました。

まだこの地に来てから1週間なんだけど?


僕は当初収納していた小さな小屋を・・・・小屋と言ってもそれなりに暮らせるようになっているのですが・・・・仮住まいとして設置しました。ゲート部屋とは別にです。


そしてそれとは別に陸続とやってくる人材の為に簡易住居をいくつか設置。

これらは6畳ほどの大きさの小屋。ただ寝るために作ったやつ。


それらを複製しまくって一旦ここで生活してもらっています。

それがここにやってきて2日ほどの事。


で、その後にユハニが連れてきた職人はそれとは別に本格的な館を建築していったんです。


どうやら予め木材は製材し、現地で組み上げるようにしてあったらしいです。


柱は僅か1日で組んでしまったようです。

魔法で簡単に持ち上げられるので意外と早く済みます。

しかもメインは既に箱状になっていて、それらをどんどん組んでいくんです。

そして壁や床もあらかじめ用意してあったようで、それらをどんどん収納かばんから取り出し、組み立てていきます。

まるでハウスメーカーのユニット工法です。

トヨ▼ホームですねこれでは。

但し今回は鉄骨ではなく木造ですが。

在来工法とユニット工法の合わせ技みたいな。

何せどんな気候か分からないので、鉄では錆びたりするかも、それにもっと希少な金属ではそもそもそれだけの量を確保できなかったというのと、加工のしやすさで木造にしたそうです。


そして平屋にしたのは、高くすると何かに見つかる可能性を考慮したのだとか。

あとは土魔法で作るという手もあったのですが、それも含めて内装も壁をくっつければ終わりという日本のハウスメーカーでさえできない事をやってのけた事。

尤も壁紙とかを綺麗に張る必要もないのでこんなに短期間で出来上がったのですが。

うーん、プレハブ?

だけど実際は快適。

風呂だけは地面に穴を掘って作りましたが。


そしてここで暫く魔素に適応すべく暮らす事になりました。

だんだんと慣れて、最初は不快だったのがさほど気にならなくなり、魔法も最初に比べればずいぶん楽に発動できるようになりました。


しかしこんな場所に勝手に建物作っちゃっていいのかな?


「いいんじゃないのお?」

そう早起が言うけれど、今の魔大陸の支配体制ってどうなってるのかな?

「魔王亡き今誰かが支配していたりするの?」


「えっとお、どうなのかなあ?みーんな好き勝手だからねえ。」


魔王が支配していた地域もあっさり奪還できた事を思うと、既に空中分解している可能性があるかな。


「早起、魔王が死んだ場合、誰か息子とかがその権力を継承したりとかなかったの?」


「うーん、どうかなあ?実力でもぎ取るから兄も息子だからって父の座を継承しないからなあ。」


あれ?ひょっとしてこの流れだと魔王に息子がいたの?。適当にたとえ話のつもりで聞いたんだけど?

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