第601話 魔大陸にゲート部屋を設置するも

暫く様子を見て、特に魔物や生き物の気配がないので移動を開始します。

そうは言ってもここは森の中。

結局ポチがなぎ倒した木々の周囲が比較的広い空間が出来上がっていたので、そこにゲート部屋を仮に設置する事に。


木々の根を土魔法を用いて取り除き地面を平らにしていきます。

その後小屋を設置する部分の地面に基礎を用意します。

地面を固くし、持っている硬い石を敷いていくんです。


そして今回なぎ倒した木はこのままでは使えないので一度水魔法を用い木の水分を飛ばします。

火魔法で乾燥させるのもいいのですが、ここでは危険があります。


そして土魔法で壁を作り水分を飛ばした木を風魔法で板状にし屋根を設けます。

この後手持ちにある焼いた土を瓦代わりに屋根に設置。

これで一応簡単なゲート部屋ができました。


「凄いねえ!こんな短時間に小屋ができちゃったよ!」

早起が驚いています。

まあ収納かばんから既に出来上がっている小屋を出してもいいのですが、この大陸でできるのか試したかったのもあるので敢えて出しませんでした。


「順平殿、隠蔽はするのか?」

オイヴィはこの小屋が周囲に丸見えなのを警戒している様子。


「どうしようね。周囲に動く気配もないし、地面は・・・・ポチが木々をなぎ倒しちゃったからわからないけど、周囲に動物の通った気配もないからね。このままで暫くはいいんじゃないかな。」

「ほう、順平殿は地面を見てわかるのか?」

「ああうん、ここに転移させられるまではサバイバルとか趣味でやってたからさ、森の中で獣に会わないように習ったんだ。例えば木に爪の跡があったり、糞があったりしたら要警戒かな。まあそれだけじゃないんだけどね。」

虫とか鳥とか色々確認する方法はあるんだけど今オイヴィと話す事じゃないよね。


「じゃあ早速ゲートを設置して、試そうか。」


僕はゲートを置いたのですが、さて起動させようとするとなかなかうまく起動しません。あれ?

すると早起が


「魔道具?向こうの大陸で作ったやつならちょっと動作は厳しいんじゃない?」

「どうして?魔素の濃さが関係している?」


「そうねえ、濃すぎるのよねえ。だからねえ、何か別の魔道具を用意してえ、周囲の魔素をお、それで使っちゃえばいいのよお?」


そんな魔道具あったっけ?

水を得る魔道具とか・・・・光を発する魔道具がいいかな?

万が一光が漏れてそれを目指して魔物が、というのも困るので、一応ゲートの横に土魔法で囲いを作って、その中に光を発する魔道具を設置。

周囲の魔素を用いて発光する魔道具・・・・内元君が作ったやつだけど・・・・これをいくつか点けます。


するといい感じに周囲の魔素が消費され、それと明かりが凄すぎて囲いがしてあってもその明かりは小屋を照らすのに十分で、結果的にはちょうどよかったようです。


そしていよいよゲートを起動させます。

今度は問題ありません。

ただ、いきなり人を送るのは危険すぎるので、石板に字を書いて、それをゲートで送りました。


うまくいったようで・・・・


暫くすると、ついになっているゲートから何かが送られてくるのがわかったので、3人で様子を見ます。


そしてゲートからユハニが現れました。

ちょっとなんでいきなりやってくるんだよ!


「魔大陸への無事な上陸おめでとうございます。」


「なあユハニ、君は常山領で実質的な責任者なんだからこんなふうにゲートを利用してほしくないんだけど。」


「ですが誰かが試さないといけません。しかしそれを公爵様自らが、という訳にはまいりませんので取り急ぎ私がこうして試してみたのです。」


まあ今更僕がいなくなっても跡継ぎ要るからいいじゃないか。と思ったけど言うのはやめておこう。

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