第584話 念の為にマスクを用意する
マスクが必要になるかも。
今までダンジョンには行った事もあるけれど、そんな必要は無かった。
だけどだからと言って別の大陸も安全、とは言い切れない。
しかしいくら海に隔たれている大陸と言っても、空気はそういう訳ではないはず。
そうであれば空気は同じと思うので、必要ないと思いたいんです。
だけどあっちで生息している動物や植物は恐らく違う訳で、そう言った動植物が吐き出す空気はもしかしたら僕達にとって有毒かもしれない。
一応念のために用意を。
それにもしかしたら地中からガスが噴き出し、その周囲は危険かもしれないので。
だけどそれを言い出したらきりがない。
まあ備えあれば患いなしともいうし、だけどどうかな?本格的な防毒マスクがいいかな?
顔全体を覆うやつ。
目も保護できるし。
・・・・
・・・
・・
・
「・・・・と言う訳で、防毒マスクを作ってほしいんだ。」
「防毒マスクか。外側は何とかなるとして、フィルターってどうするの。」
内元君の中では外観はもう出来上がっている様子。早いね。もしかして作った事がある?
「それはどうしよう。何か魔物か植物から作るしかないけど、植物かな?」
「実際細かい目に見えない粒子を、特にウイルスをブロックする必要があるから、できれば不織布を作りたいし、それに適応する布を用意しないといけないんだけど、この世界で再現できるの?」
「どうだろうな。ああでもさ、僕等がこっちにやってきた時、誰か持ってたはずだ。確かそう言ったのも複製したと思うんだ。」
不織布かガーゼか、それとも化学繊維のポリエステルやポリプロピレンのような石油製品だったか。
流石にもう15年前だし、収納かばんの肥やしになっているっぽいから調べないと。
流石に防毒マスクはなかったはずなので、フィルターはこれで再現しないと。
溶接用のマスクなんて誰も持ち歩いてなかったし。
僕は15年前の複製品が入っているカバンを調べると・・・・
おお?マスクはありました。それも複数の種類が。
不織布の使い捨てが多いかな?
あとはポリ関連。
フィルター付きのもあるぞ?
弁だっけ。
この中の布でフィルターを作れたらいいのだけど。一応複製して全部内元君に渡します。
「意外とありますね。」
「複製できるから、切り刻んで確認してもいいよ。」
不織布のマスクって、3重とか5重とかなんだよね、確か。
まあそれを言えば造りのしっかりしたマスクもそう言った何層にもなっているはず。
このフィルターだ弁付きのもそう。
まあ内元君ならなんとかしてくれるでしょ??
「フィルターは使い捨てにしますか?洗浄して何度も使いますか?」
「複製できるから、使い捨てで問題ないけど。」
「では一日一度交換するという事で、それを口の周囲に2つフィルターを設けます。明日までに試作品を用意しますよ。」
やる気のある内元君は輝いています。ありがたやありがたや。
「拝んでも魔大陸には行きませんからね!」
駄目だった。
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