第563話 何かがおかしい

僕の責務が終わり、やっと解放されたのですが、僕が服を着る間、じっと僕の・・・・どことは言いませんが・・・・注視しているのがわかります。


そして相変わらずニシャアっとした残念な笑みを浮かべる娘さん。


だけど僕はその顔に違和感を感じました。


確かにニシャアとしているのですが、よく見ると目が笑っていません。むしろ泣きそうな目です。

それもよく見ないとわからないような、そんな小さな違和感。


「何だもう終わりか?いい臭いさせやがって!俺にもぶち込めよ!!ほれ、安心しろよこれで場数踏んでんだ!どうした?さっさとしろよ!」


おかしい・・・・


明らかに煽って誘って、下半身緩いんじゃないの?あまりにも奔放すぎて両親に見放された?そう思える一連の言動。


だけどそう、目が泣いているんです。

【私じゃない!】


え?今何か聞こえた気がしましたが、気のせい?いや、気のせいでは済まされない気がします。


「どうした?てめえについてるのは飾りか?まさかもう打ち止めとか?有り得ねえ!」


さらに煽ってきます。


「ええと、君名前は?」


「あ?そんなのどうでもいいじゃねえか?まあいい。自分でではなく俺に脱がせてほしいってか?」


そして僕のズボンを奪っていく娘さん。


だけどこの時、僕は見逃しませんでした。


娘さんの手が僕に触れた瞬間感じたんです。


僅か、ほんの一瞬でしたが手が震えていたんです。


やはり何かある!


僕はこの目の前の娘さんに対し、鑑定を駆使し細かく調べます。


ですが特に異常がないんです。


とにかく鑑定しまくって何か見落としがないか見極めていきます。


だけど何も見つかりません。


「何じろじろ見てんだ?そんなにみてえなら見せてやるぞ?」


あ、今喋った時にわずかに何か変化が!


いやしかしもしかして内臓に仕掛けが?


そんな鑑定をした事がないので、どうするか・・・・


僕はこの目の前の娘さんは自分の意志とは無関係な言葉を発し続けていると確信したのですが、どうやってそんな事をしているか検討がつきません。


この際、切り刻んででも調べるか・・・・


僕の攻撃は有効なのを確認していますし、でもここは意識がない状態で行わないとまた苦痛を与える結果に。


「じゃあちょっといいかな?」


僕は娘さんの背後に回り、後頭部に手刀を打ち込みます。


「あ?」


娘さんは気を失いました。

さて、あまりしたくはないですが、喋った時に感じた変化。

つまり口の中から喉、肺にかけての何処かに何かがあるはず。


僕は先ほど自分が拘束されていたベッドに娘さんを寝かせ、上半身の衣類をすべて取り除きます。


「公爵様、犯すんですか?」


先ほど子種を受け取った女性が数人、見守っています。

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