第564話 切り刻んで調べた結果

「彼女は何か呪いのような影響を受けているようで、身体の内部に何かある様子。今から死なないよう極力気を付けつつ、切り刻んで調べます。」


「ええ?」


思い切ってナイフで喉を切り裂きます。


娘さんの身体がびくっとしますが、喉では・・・・ないみたい。

すかさず回復魔法を唱え、先ほど切り裂いた場所を回復させます。

そして次々に切り刻み、肺も確認しましたが何もありません。


では何か見落としが?


あ、口の中を確認していません。

口を無理やりこじ開け、あごの骨が外れるのもお構いなしに無理やり開けます。


分からない。


僕の回復魔法は四肢が欠損しても回復するので、ここは思い切って舌と歯を取り除こう。


そう思って舌を切除。


うーん、違うか。


そして歯を取り除こうとしたのですが、前歯を取り終え、奥歯に差し掛かった時、僕の手に痛みが。

あ?何?

今娘さんは口を自力で閉じる事が出来ません。


なので噛まれたわけではないのですが・・・・


もう一度痛みが発生した時に触れた歯を触ります。

痛い!


しかも痛みが発生した瞬間、何かが発動したようで・・・・これか!


僕は怪しい歯を見つけたので、ナイフを歯茎に突き刺し、その歯の周囲ごと全て取り除いていきます。


するとやはりまたもや痛みが発生しますが、今度はその痛みを無視していきます。


そして・・・・結果娘さんの歯を全て取り除きました。


どれか分からないので、こうするのがいいかと。


そして・・・・


何これ?


どうやら歯に擬態した何かのようで、生物?マジックアイテム?

どうやら歯のうちの一本は娘さんの自前の歯ではないようで、これが違和感の正体でしょう。

僕は収納かばんを手にし、その中に入れてしまいます。


あ、暴れている?


もしかして魔物だった?


収納かばんはどういう訳か生きている生命体を入れる事が出来ません。


いえ、正確には入れられますが、入れてしまえば暫くすると死んでしまうんです。


もっと調べたらよかった?


今は無視して娘さんに回復魔法を唱えます。


みるみる回復し、僕が無茶苦茶した口腔内は元通りに戻ります。


あ、先ほど違和感のあった歯も元通りに・・・・元々の自分の歯だよね?

先程と同じ症状が出たら意味がないのですが。


まあ娘さんの意識が戻るのを待ちましょうか。


これで正常な状態になればいいのですが、結局さっきの言動が地の性格だったら意味を成さないのですが、僕の見立てではたぶん自分の意志と真逆の事をしゃべっているのではと思ったんです。

あの目は違うと訴えていました。


さて、どうでしょうか?

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