第536話 え?魔王を倒したって?
え?魔王を倒したって?
ご機嫌な章君が、突然そんな事を言うので驚きました。
「俺様我慢がならなかったんだ!人の身体を何だと思っているんだ!だからその身体を解放してやったのさ。」
何の事を言っているのかいまいち分かりませんが、人の身体に憑依なのか乗っ取ったのか、魔王は他人の身体を奪って自分のものにしていました。
その体の持ち主は当然抵抗するわけで。
だけどそんなのを無視し、奪った魔王。
そういう意味では森信君を含め、召喚者の大半が犠牲になった訳で。
擁護するわけじゃないけれど、召喚された人のうち約半数はリーマンだったんだけど、そのほぼ全員が無理やり侍女を犯し欲望のはけ口にしていたのだけど、召喚に巻き込まれなければこんな暴挙にでる事もなく平凡な人生を送った事だろう。
召喚の影響で精神に異常をきたしたか、気が大きくなって善悪の判断が出来なくなったのか・・・・
幸いな事に被害に遭った侍女達は全員立ち直って、今はその殆んどが常山領で僕の家臣と幸せに暮らしている・・・・はず。
流石に家臣の家庭を把握していないので、実際どうなっているかは知りませんが。
「本当に魔王だったのかい?」
「あ?俺様が魔王を間違えるわけねえだろ!あんな小さな子供に憑依しやがって!」
この後章君は興奮したのか我を忘れ、最後はのぼせてリタイアしました・・・・
で、バイエンス氏が、
「まあ本当の事ですな。そしてその子供の死体は【火葬する】と言って高温で消し炭にしてしまったのが印象的でした。」
この世界での死者の弔い方は基本土葬。
まあ地面に穴を掘り、そこに死体を埋めていくという・・・・
埋める場所を間違えるとアンデット化してしまう危険性もあるのですが、燃やすという思考はほぼ存在しないようです。
「バイエンスさん、魔王は復活しないんですかね?」
「さあ私では分かりませんが、章殿は何やらよくわからない方法で魔王を仕留めたのですよ。【魂の消滅】とかなんとか言っていましたが、私には理解できない内容でした。」
魔王の思念体とでもいいましょうか、それを消滅せしめた?
実は章君って相当な才能の持ち主?
であれば返す返すも召喚の方法が残念すぎました。
皇女様が成功させていればあるいは・・・・
「因みに魔王の側近共も消滅いたしましたぞ。」
あれだけ罠を張り巡らせた魔王とその側近ですが、ある意味最後はあっけなさすぎです。
一体魔王とは何だったのか?
結局分からないままでした。
それに魔王の目的は憑依する身体だったの?
あんなにすごい勢いで他国を落としていた魔王の目的がこれ?
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