第537話 死者への冒涜・・・・らしいです
魔王が人の身体を乗っ取った・・・・つまり憑依したと僕は認識しているのですが、章君に言わせれば、死者への冒涜らしいです。
魔王とその取り巻き・側近が召喚者の身体を乗っ取ったのですが、元の魂が死んだ・・・・つまり殺してからその体を乗っ取った、そういう事らしく、だからなのか分かりませんが、その行為に章君は魔王に対し言いようのない敵意を持ったようです。
つまり死者への冒涜とでもいいましょうか・・・・
結局のところ、魔王は森信君の魂を殺し?どうやって殺したのか不明ですが、森信君を殺し、その体を乗っ取った・・・・
つまり森信君は殺され、その後魔王がその体に入り込んだ、という訳ですね。
うん、ますます訳が分からなくなります。
魔王がやった事は分かるのですが、どうやってそんな事が出来るのか?
それが分かりません。
魔王が人を殺した、そこは理解できます。理解と言うか魔王が人を殺したという事実という所です。
あ、人を殺すという行為ではなく、殺した結果ですよ?人を殺すのは良くない事ですから。
ですがその後が理解できないんです。
どうやって死んだ人の身体に入り込むのか。
つまり魔王はその時使っていた体から離れ、森信君の身体に入り込んだわけですが、どうしたらそんな事が出来るのか・・・・
まあ章君のいう事が本当ならもう魔王はこの世に居ないわけですから、今更どうやったかを調べる必要は無いのでしょうが・・・・
「ああそれですか。恐らく魔王の能力なのでしょうな。そして魔王の眷属もその能力を、魔王によってかまではもはや分かりませんが、眷属も同様の行為を行っていたわけですからな。」
バイエンス氏によれば人の身体に憑依をするのは魔王の能力だろうと。
そして森信君に憑依する前の身体も元人だったようです。
寄生虫?
ふとそんな事を思ってしまったのですが、僕がもし魔王に身体を乗っ取られたらと思うと・・・・
それを妻達が気が付かずに僕と思って接し、そして行き着く先は妻達の身体も全員魔王の眷属に憑依されてしまったら・・・・
やはり許せない存在ですが、今更ですね・・・・
「しかしよく章君は魔王を仕留めましたね?」
僕はバイエンス氏にそう伝えると、
「最後の魔王は幼女に憑依していましたからな。それが許せなかったのでしょう。可哀想にとか言いながら亡骸を丁寧に葬って・・・・我々には理解できませぬが、火葬・・・・死体を骨になるまで燃やしていましたからな。」
先にも触れましたが、この世界では死者を火葬する風習、習慣はないようで、火葬する時はその死体を燃やす必要がある場合、つまりそのまま土葬すればその死体から病原体が広まる場合?
つまり死因が病気だった場合らしいです。
怪我はいいのか?
病気もどの程度?
10年以上この世界で暮らしていますが、未だに理解できない事柄が多数あって困惑してしまいます。
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