第530話 魔大陸
魔王の拠点はロンドロッグやグビッシュ王国の存在する大陸とは海を隔てた別の大陸。
船で魔大陸へ向かおうものなら瞬く間に海の魔物が現れ、海の藻屑と化すだろう。
そう、未だかつて魔大陸へ船でたどり着いたという報告がないのだ。
万が一魔大陸に到着したとして、戻ってきた事例が一度もない。
かといって空から向かえばどうなるか?
瞬く間に飛翔系の魔物の餌食となるだろう。
そう、つまり人類は魔大陸にたどり着く事が出来ないのだ・・・・一部の例外を除いてだが。
魔道具及び魔法での移動がそれにあたる。
但しこれもかなり条件が厳しく、魔法での場合転送等の魔法を使用するが、目的地に一度でも足を運んでおく必要があり、もし行った事のない場所へ無理に転送しようとすれば、無事到着できる可能性は低い。
そしてゲート等の魔道具。
こちらは既に設置してあれば比較的簡単に移動できるが、やはり現地にゲートを設置しておく必要があり、魔法での転送同様、一度現地に行く必要があり実際に魔大陸に向かうのは不可能に近いとされているのがこれらが理由となる。
因みに空から向かう場合、幾つか方法があり、
①魔物に見つからないよう隠蔽しながら移動する方法。
②次に襲ってくる魔物を全て仕留めてしまう方法。
③最後はドラゴン等の強い魔物に乗っていく方法。
①は魔力切れを起こせばそこまで。
②はそれだけの実力があり、かつ常に戦える体制でないと厳しい。
③そもそもドラゴンをテイムする必要があり、条件が厳しすぎる。
どれも現実的には厳しすぎ、最終的にはこれらとは違う方法が用いられる。
【勇者】である。
勇者召喚に応じ(巻き込まれる場合もあり)異界よりやってくる人間。
総じて多数のスキルを所持する事が可能で、無事に成長すればその実力は魔王をはるかに凌駕し、唯一魔王を討伐できる存在と言われている。
・・・・
・・・
・・
・
「はあ?なんで俺様がそんな移動手段を持っているんだ?」
勇者とは何ぞと章に質問され、丁寧に答えていたバイエンス氏だが、その甲斐なく章はそう言った手段が無い、若しくは知らないといい放つ。
そんな彼らは今、魔王の住む山の麓付近。
運よく穴が今章達がいる付近まで続いており、辛うじて外へ脱出できたのだ。
そして章がバイエンス氏に勇者って何ぞやと質問をしていた所。
折角丁寧の、尚且つ簡潔に伝えたのだが・・・・どうやら章は移動手段に何かを見出したらしく、先ほどの話を殆ど聞いていなかったのだ。
「ではゲートはいかがです?常山様よりいくつかゲートを預かっていると存じますが?」
「あ?ああそれな、殆ど壊れた。」
「は?壊れた?」
何せ穴から実質落ち続けていたのだ。
ゲートを仕舞っていたカバンは損傷を受け、中に入っていたゲートもその殆んどが機能を失ってしまった・・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます