第471話 魔王の活動再開

ユハニから報告がありました。


【魔王に動きあり】と。


この世界の魔王は、強大な力を持ちながら、ダメージを負った時の回復手段が無いに等しいようで、以前僕と戦った時のダメージを回復させるのに、数年を要したようです。


これはいくつかの要因があるのですが、魔王は今の体の維持が限界を迎え、回復もそのせいで相当時間がかかってしまい、現在新たな体を求めているらしいんです。


で、その体って、僕の体がターゲットにされているらしく、隙あらば乗っ取ろうと画策しているらしいです。


以前引っかかった罠、あれは魔王が僕の身体を乗っ取るにあたり、自身になじむように調整を施す為の何重もの罠だった様子。


見事引っかかった僕や妻達。

罠を見つけ、解除したりしたと思ったのですが、何重にも罠が仕込まれていて、罠に引っかかっていると認識できないまま毒されていたようで、ある意味魔王の恐ろしさを垣間見たようです。


そんな魔王が僕をあきらめるはずもなく、つい最近動き出した様子。


まあこれは、僕の情報網に引っかかったからわかったのですが、情報ってすごく大事。


僕と言うよりユハニが取り仕切っていますが、各地に人とアイテムを配置または設置し、色々な動きを監視しています。


そう言った事を専門とする人がいるようで、後はまあ僕や内元君が作った魔道具が役立ってます。


魔王ほどの魔力の持ち主はそうそういない訳で、魔王の行動範囲がどのあたりにあるのか分かりませんが、各地にある程度の魔力を感知すれば領地に伝わる装置を設けています。

これは秘匿しているので、僕と妻、それに一部の家臣しか知りえない事なのですが、館の地下に装置を管理する部屋があり、その装置が異常を感知した場合、速やかにその場所を確認できるようにしています。


ただ僕が魔王の居るはずの場所に乗り込めば済むと思うのですが、家臣をはじめ妻一同に強く反対されています。


「順平さんが魔王より強くなってるのはわかるけれど、魔王って何か罠を用意していると思うから、そんな所に行かせられないよ?」


「でもさ友郁、時に行かないといけないなんて事は・・・・」


「ないですわ順平さん。もはやそんな勝手が許される身分ではないですの。」


泉によってあっさり否定されてしまいます。


そりゃあ公爵と言う身分。おいそれと魔王の住んでいる場所に向かう訳にはいかない様子。


しかもほぼ間違いなく罠を用意し、さながら順平ホイホイ・・・・いやなにかこう、もう少しネーミングが・・・・と思いますが、僕の身体を狙う魔王。

絶対僕を捕える事の出来る罠を仕掛けているから行っちゃあ駄目なんだそうな。



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