第470話 手合わせ
館への移住?も済み、暫く経った頃。
ずいぶん落ち着き、館の住人はずいぶん増えたのですが、今までずっとこの状態だったかのように、すっかり皆馴染んでいます。
アーダ達と友郁達は元々面識があったので、5年ぶりの再会ですが、館で働く・・・・ここでは面倒なので使用人と言っておきましょう・・・・人のうち、5年前にはいなかった面々も多くいるわけで、最初はなじむのか心配でしたが、館で働く人は皆しっかりとした教育を受けているのか、内心はどうあれ、表面にはもし不快だったとしてもそのような態度は一切出していません。
と言うより皆和やかな雰囲気。
まあ和やかと言ってもそこは仕える相手に対しての礼儀があり、一方友郁達はそもそも見下すといった感覚とは皆無なので、実際は心配するまでもなかったようです。
こっそりと聞き耳?を・・・・まあスキルでいかようにもなりますが、使用人達の会話をこっそり調べさせてたりしましたが、幸い皆好意的でした。
因みに隠密行動のスキル持ちにさせています。
別に悪口を言おうが不満を口にしようがそれでその相手をどうこうとはしませんが、問題があればいち早く見つけるためにもこうした事もしています。
尤も適性がなかったり、どうしても相性が悪かったりした場合は適正な部署への配置転換もしているのですが、今の所そういった事もなく言い感じです。
で、落ち着いた時オイヴィがやってきて、
「もうすぐ魔王の襲撃があるのだろう?できれば召喚された面々と剣を交えての訓練をしたいのだ。」
・・・・友郁達は強いです。それは高レベルなのと、スキルのごり押しだからです。
一方のオイヴィですが、友郁達より若干レベルが低いのと、スキルの差があり単純なごり押しでは確実に負けてしまいます。
ですがオイヴィには訓練で培った体の動きがあります。
例えばダンスですが、しっかりと練習をしている人と、ちょっとかじっただけの人では動きに差があるように、オイヴィと友郁達の剣裁きには明らかな違いがあります。
実際オイヴィと模擬戦をして、単純な剣だけでは誰も勝てません。
しかし実践となれば別です。
スキルによるごり押しが可能なので、それだけで友郁達はオイヴィを圧倒してしまいます。
ですがそんな友郁達にオイヴィほどではないですが、その動き、体のさばき方等を身に着ける事が出来ればもっと強くなれます。
別にこれ以上強くなる必要は無いのですが、万が一魔王に後れをとる事のないようにしたいので、今一度学んでもらおうかと考えています。
「うわ、オイヴィさんの動き、キレッキレ!」
うん、ちょっと違うよね友郁。
だけどオイヴィが現在風のダンスをすれば、相当キレッキレと言われるダンスを披露してくれそう。
「さすがにレベルの差はどうにもならぬな。だがあのレベルでさらに動きが良くなれば、と思うとこちらも教え甲斐がある。」
レベルの差に嫉妬するかと思いきや、前向きなオイヴィ。
「すまないねオイヴィ。動きは間違いなくオイヴィが一番なんだが、レベルの差ってここまで出るんだね。」
「ああそうだ。だが同レベルが相手となればまた違う。」
オイヴィと同レベルの相手が現れても、オイヴィなら負けないだろう。
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