第469話 忍び寄る影

妻達はエレケをモフッて和んでいます。

若干名被害者がいるけれど、まあ・・・・ごめんね、後でお詫びを。


こっそりエレケにそう伝えると、エレケは顔を輝かせ、

「じゃあ子種を!」


それしかないのでしょうか?まあこちらとしては嬉しいですが。


そんな感じで和やかな雰囲気の中、並行世界組は館に合流しました。


しかしこうした和やかな時はそう長くは続きません。


何せ並行世界ではこの後魔王との熾烈な戦いが延々と繰り返されていたからです。


何せ魔王を仕留めたと思っても、数年後には何事もなかったかのように復活し、猛威を振るってくるからです。

一体魔王とな何者なのか?


それに魔王と戦うにあたり、戦う場所を考えないといけません。


領地で戦うとか、勘弁願いたいですし。


そして今回、並行世界との違いがあります。

それは何か。オイヴィの存在です。


妻の中で一番武に長けた彼女。

そして彼女の次に戦闘能力が高いのがエレケ。

尤も武器を持って戦う事を考えればオイヴィ一択なのですが。


そしてオイヴィが戻ってきました。


「順平殿、帰った。友郁殿達が館に来たそうだな。」


「ああ。前もって伝えてたよね。そしてもうすぐ魔王との戦いが再開するんだ。オイヴィは初めてだね。」


「初めてではないが、以前は一方的に打ちのめされたからな。何もできないまま気を失ってしまった。」


500名からなるロンドロッグの神聖騎士がほぼ全滅。

圧倒的な力の差だったようですが、今は僕と接し、スキルを得、ずいぶん戦力アップしているはず。

何せ僕はスキルごり押しの戦闘なのに対し、オイヴィは訓練で培った技術を持って戦えます。そして僕の所有しているスキルをほぼすべて所有し、レベルも召喚組を除けば一番高いです。

僕にとっても・・・・家臣は僕の護衛に関して無力なので、オイヴィが実質その任に付く事になります。

特に魔王との戦いが始まれば、オイヴィはずっと僕の傍にいる事に。

戦力的にはオイヴィには遊撃として活動してほしい所ですが、家臣はそれを許してくれません。

現状僕が死んでしまえばこの常山領がどうなるか。


アーダが仕切ってくれるとは思いますし、跡取りもいます。もっともまだ幼すぎてアーダに背負わせてしまう事になるのですが。


ですがそう言う問題ではないようです。

魔王と唯一対等以上に渡り合える人間。

どんな犠牲があっても僕を死なせる訳にはいかないそうです。

それはアルノルト国王の命より重いのだとか。

いや、アルノルトを優先してあげてよと思うのですが・・・・

何せアルノルトは自らの身を守る事が出来ません。

魔王の襲撃があればあっけなく命を失うでしょう。

それを阻止しないといけないのですが、さて魔王の王道は並行世界とどう違うのか。

違う可能性もあるので、あらかじめ対策をしておかないといけないのですけど。

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