第447話 向かった先には

確かこの階層、バジリスクだったっけ?石化の状態異常の攻撃をしてくる魔物がいるエリア。

その奥には大量の魔物がいたはず。


前回はその更に奥の階段だったと思うけど安全な場所、つまり魔物が近づいてこないと思われる場所で怪我をした冒険者を保護し、脱出したと記憶してます。


その奥がどうなっているのかは僕は知りませんし、この後ダンジョンのと調査は中止していたので、どうなっているかは誰も知りません。

知らないはずです。


あれからダンジョンに入った冒険者がいるという報告はありません。そうは言っても入り口を監視していたわけではありませんから実際どうだったのかは分かりません。


で、石化エリアとでも言いましょうか、あのエリアの先はさしずめ魔物の集まり、これはどう言い表せばいいのか。


そんな事を考えながら様子を見ていたのですが、あろう事かエレケがずんずん先に進んでいくではありませんか。


「エレケ、その先は調査が終わっていないエリアだ!勝手に先に行っちゃあ駄目だ!」


「魔物の臭いはしない!獣人の臭いがすげえしてる!」



問題の魔物が全くいないので僕は違和感を感じましたが、もしかして獣人って相当な人数が入り込んでいたのでしょうか。


人海戦術ではありませんが、大量の獣人による魔物の討伐。

有り得なくはなさそうです。

しかし僕の制止を全く聞き入れようとはしないエレケはどんどん先に進んでしまいます。

まあ臭いがしないというのだから、本当に魔物はいないのかもしれませんが、危険な事に変わりはありません。


そして階段が見つかり、前回は恐らく此処までだったような気がします。

ずいぶん時間が経ったので、すっかり忘れてましたが。


そしてその階段を下っていくと、何やら草原が広がっています。

ダンジョンなのに草原って相変わらず慣れませんが、ダンジョンとはこういうものなんだそうです。


うーん、何と言ったらいいのか、地面の下、つまり地下なのに、どうやって明かりを確保しているのとか、誰がこれを用意したのか、とか色々突っ込みどころがありますが、いまだそう言った事がどうやって起こっているかわかってません。


一説には管理人がいるとか、魔力がエネルギーだとかありますが、何処まで信じていいか。

それに何で地下に草原?


うーん、相変わらず出鱈目な世界ですね。


そして・・・・あ、いた。

獣人がいました。

煙が上がっているのであれがそうでしょう。


どうやら仕留めた魔物のドロップアイテムを、皆で焼いて食べている所です。

ちなみにドロップアイテムは、食材、つまりこの場合は魔物のお肉も含まれているんです。


「美味そうな臭いさせやがって!」


エレケ、涎が!

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