第448話 獣人の宴会?

エレケがそう言って見ている方向には、かなりの人数の・・・・獣人がいます。


いや、沢山とかそんな簡単に言っていい人数ではないですね。


パッと見るだけで数十人が視界に入りました。


これ100人単位でいるのでは?


そして何処から調達したのか、大きな鉄板で肉を焼く獣人、人が入る事の出来そうな大きさの鍋で何かを煮込む獣人、後は・・・・何か飲んでいる?


「おいお前ら!何で昼間っからダンジョンで酒なんか飲んでんだ!」


あ、エレケが酒を飲んでる獣人に怒りをぶつけている?


「お?おお?おおお?姫!姫じゃねえか!何やってんだよ!」


「え?姫来てるの?」


「姫って白姫?」

「ちげえよ、雪姫だろ?」


一瞬白▼姫とかいうのかと思った。


「エレケ、姫って言われてるけど、エレケって白いよな。だから白姫とか?」


「はずいのじゃ!!!!」


あ、デれた。単に恥ずかしがっただけ?


しかし暢気なもんだな。こんな所で食事とか。


騒がしいと思ったら、この集団の向こう側はまだ戦ってるじゃないか。


「いいぞやれえ!」


「おいおいそんなんじゃダメだろ!」


酔っ払いが何か言ってる。


そう思っていたらエレケがこっそり教えてくれる。


「あれは飯を賭けてるんだ。」


飯を賭ける?


「ほら今あそこで肉を焼いてるだろ?あっちでは鍋で煮込んで。で、今戦ってる奴らはその内容で飯を貰う量が決まんだよ。」


よくわからないんだけど。


で、何を焼いてるのかと思っていたんだけど、


「何だ人間、お前もこれ喰いてえのか?」


焼いてる獣人がそんな事を聞いてきたんだけど。


「いや、今はまだお腹は空いてない。ただ何を焼いてるのかと思ったんだ。」


「ああこれか?さっき変な魔物がいてよ。いっちょ前に姿なんぞ隠してやがったが、臭いが駄々洩れだからよ、まあご覧の通りさ。」


どうやらバジリスクのようです。


臭いで存在を認識した?


獣人って相当鼻が利くんだな。


以前腕に覚えのある冒険者たちが軒並み石化食らってたんだけど。


あ、そんな会話をしてたら戦闘が終わったようですね。


「ふう、どうだ?」


マッチョな獣人が10人ほどやってきましたが、うわ、凄い筋肉。


「おう、まあまあだな。1人3つだ。」



「はあ?5は行けるだろ?」


「あんなので5なんかやってみろ、こちとらあっという間に肉が消えちまうぞ!」


「何言ってやがんだよ!」


「うっせええ!!」


エレケが怒った。


「あ、姫じゃんか。」


「黙って4渡しとけ。」


「ちっ!しゃあねえな。よかったな、あんなんで4とか。」

「なにがあんなんだ!姫っちがそう言うなら受け取るが、味はどうなんだ?」


「まあ食ってみろ!」


これは獣人の習性?


「なあエレケ、あれは何なんだ?」


「単純に力自慢だな。ぶっちゃけ盛りの時により沢山相手してえから、ああやって自分を売り込んでおくんだ。」


よくわからない理屈です。

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