第435話 獣人用スペースの内覧

この建物、というより領地の建物は全て土魔法で躯体が出来ているんです。


まあ、壁もそうなのですが。


壁も構造体になっているので、釘を打ったりはいいのですが、壁をぶち抜いたり、穴をあけるのはご法度。

やっていいのは5階だけ。

下の階層でそれをすると、何処かに負担がかかりそのうち建物が崩壊しかねません。


土魔法で構造体を作成し、硬い石のように仕上げます。


部屋の仕切りや窓・ドアなど、最初から考えておかないと、後からの変更はできません。

出来るのは部屋の間仕切りを増やすぐらい。



そして水回り。

これらもあとから追加できないので、最初から導入しています。


それに換気。

完全な石だと中々換気が悪くなるので、換気設備も導入。


まあたぶん住民にはわからないかとは思うのですが換気は大事です。



で、今は1階を見ています。

1階は一番では入りの多い場所なので、受付と雑談スペースがあります。

2階と3階には獣人用の衣類の店が。

多種多様なので、なかなか希望の衣類が見つからないようなので、そういう時は注文しています。


普通の人用の衣類に、尻尾の穴を設けたり、多少体型も違うので、体型に合わせた採寸を行い、オーダーメードっぽく服を作れたりします。


で、4階と5階は盛り部屋。


1階でカギを貰って入るのですが、1階で部屋の空き状況がわかるようになっています。


知らずに部屋に入ったら先客がいる、なんて避けたいですし。


順番に各階を見て、今4階にやってきてます。


この人数なので一つの部屋に複数の人が入るのも考えようなので、勝手を知っている職人さんにも協力してもらい、獣人に部屋に入ってもらい、見てもらっています。

しかしいつの間には増えている獣人。

しかも全員女性。

男の獣人はどうした?

そう思ったのですが、普段は獣人というのは男女別に生活をしているのだとか。

なので今はいないようです。


そして職人さんが、いつの間にか増えた獣人の案内を買ってくれて、今は部屋を案内してくれています。



そして僕は気が付くとあの姫と呼ばれている獣人と2人きり。あれ?お供の獣人は?


まあ今はどんな部屋か見てもらうだけだから気にしないでおきましょう。

そう思って鍵を使って部屋を開けます。


ぶっちゃけ日本のラブホをイメージしています。


玄関も広めにとってありますし、風呂も広いんです。

贅沢に各部屋の浴槽は2人で入っても十分な広さを確保していますし、もちろん一番メインのベッドもワイドキングサイズ。


ベッドと言っても床に直接マットです。

木でベッドを作っても壊れるのが目に見えてますし。


ただトイレはありません。

風呂の洗い場で用を足してもらうようになってます。


何せ獣人というのは体型が千差万別。

普通のトイレでは用を足せない場合があるので、それならば洗い場で済ませばいいじゃないかと。


どうせここに用があるのは子作りする男女ですから。


「こ、こんなのが各部屋にあるのか?」


姫さん驚いてますね。


「まずは先行してこの建物だけ完成させたのですが、何か問題がありますか?」


「あ、いや、人族に近い体型の獣人なら問題なさそうだ。むしろこんな所に住みたい!」


流石にキッチンなんかはないから、住むとなると難しいのでは?

ああ、ちゃんとソファとテーブルはあります。


そしてこの姫さん、何を思ったのか、

「では部屋の使い勝手を実際に試してみたい。」


「ああ、もう風呂も使えるので試してみます?・・・・って何してるんですか?」


姫さんいきなり服を脱ぎ始めました。

「お前も脱げ!」


ちょ!いきなり何を!



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る