第436話 獣人の体を洗うのは

なんというかこの女性、思い切りがいいのか羞恥心がないのか、あっという間に裸になります。

そしてそのまま僕の方にきて、

「ほらほらさっさと脱げ!」


そう言って僕の服を剥ぎ取りにかかります。

「わ!ちょ!待って!どうしてもって言うなら脱ぐけど。その前にそのネックレス外して。」


「む!ではこれを取る間に脱ぐんだぞ。」


何故か僕も裸に。

あ、そうか。認識阻害のアイテムがあるから彼女は思い切って脱げたんだ。

そう思ったのですがもう手遅れ。

彼女はネックレスを外し、今僕の目の前には1週間前にも見た白い姿が。


流石獣人というべきか、引き締まった肢体をしていらっしゃる。

マッチョとかではなく、無駄のない体つきというか。

だからと言って女性らしさが失われているわけではなく。

まあ今更女性の裸を見ても・・・・興奮はしますが理性を失うまではいきません。


いやしかし、やはりお尻が気になります。

お尻と言いますか、お尻に生えている尻尾ですが。




「さ、風呂に行くぞ!」


単に風呂に入るので服を脱いだようです。


・・・・

・・・

・・


「なんだこれは!こんなのがあるのか!驚きだ!」


姫さんシャワーに驚いています。


この領地は魔素が濃いので、効率よく水、お湯を使えます。

ここの部屋は全て魔道具で風呂が使えるようになっています。

明かりすら特にエネルギーを必要とせず、自己完結で使えます。


他の領地ではこうはいきません。

王都でもここまでの効率は出ないです。



ああそれと、まだ試してませんが石鹸とシャンプー・リンスとトリートメントがあるんです。


転移した時、女性の一人が持っていたのを複製したのですが、獣人ってどうなんだろう。

シャンプーだけではよろしくなさそうなんだけど、これって誰か試したことあるのだろうか?

秘書さんに聞き忘れました。


そんな事を考えていると、石鹸で体を洗い始めた姫さん。

ああよかった、姫というからもしかして自分で洗わず、付き人?侍女?に洗ってもらうのかと思ってましたが、安心です。


「おお?すげえな!いいにおいがするし。」


ネコって石鹸ではなく、シャンプーで洗うんじゃなかったかな?まあ猫飼った事ないから詳しく知りませんが。


「背中が洗えない・・・・おい!洗ってくれ!」


流石に自分の手では洗えないですね。


「ではまず石鹸で余分な汚れを取り除き、この後毛の部分にはリンスをしてみましょう。」


綺麗な白い毛並みを石鹸で洗い、綺麗に流していきます。


「な~うん♪」


機嫌がよさそうです。


今度はリンスです。


毛のある部分をかなり薄めたリンスで洗っていきます。


そして流します。


「何だかしっとり気持ちいな!何だこれ?」


今までどうやって洗っていたのか、姫さんは満足したようです。

後で他の獣人にも確認しましょう。

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