第371話 ヘイマンス子爵領でのモデル販売

ヘイマンス子爵領での販売、これに関してはアーダ達と相談する必要があり、早速アーダとザーラ、ヘルトラウダを呼んで協議をしてもらう事になりました。


そもそも日本から持ち込まれたアイテムを複製し販売。これに関しては僕は直接関わっておらず(間接的には大いに関わっていますが)、主導していたと思われる3人に任せた方がいいとの僕なりの判断。


早速アーダが色々考えてくれていて、


「少々思う所があるゆえ、暫し時間をくれぬか?」


そうアーダが言うので、僕は最初から丸投げの予定だったので完全に任せます。

しかも僕は、あの町に関わりたくないというトラウマが植え付けられてしまったようで。


そして3人での協議が進んでいきます。


●     ●     ●     ●      ●


「そうは言っても、どうなのだろうの?」


アーダは他の2人に語り掛ける。

「お姉さま?私の見た所旦那様はヘイマンス子爵領に直接関わりたくないようよ?ただあくまで旦那様が、であって私達が何かをするのはいいらしいわ。何かあったのかしら?」


「どうなのだヘルトラウダ?」


「その件ですがアーダ様・ザーラ様、これらは召喚時の問題がございまして、召喚された人々の中に問題のある人物が数人いまして、その中で勇者として召喚された人物もいますが、その問題のある人物を全員ヘイマンス子爵領での追放した経緯がありますの。そして今回旦那様は子爵領で何かを目撃してしまったようで、何を目撃したかはわかりかねますが、そのせいでもうあの町に本人は関わりたくない、まあ掻い摘んで言えばそのような事であるようですわ。」


「それはつまり、その旦那さまと同じ転移者のうち、素行の悪かった者とは二度と関わりたくはない、という事か?」


「ええ、そのようですわ。正確には問題のある転移者と会いたくないのであって、子爵領そのものに関しては含むところは一切ない、そう認識しています。」


ヘルトラウダはアーダに説明をする。

そしてザーラが問いかける。

「ではヘイマンス子爵領でのこちらの行動は、問題ないのかしら?」

「ザーラ様、恐らく転移者に関わらなければ全く問題ないかと。」

「では早速準備をしましょう!」


何の準備か?とヘルトラウダは思ったが、すぐにヘイマンス子爵領で色々と直接販売、もしくは作成してしまうという事なのだと理解する。


「販売はすぐにでも、そうですね・店を確保できればすぐにでも行えますが、子爵領での製造に関しては、場所の確保に人材の確保等、色々と問題が多くすぐには実行できないと思いますわ。」

「ええ、わかっていますわ!ただ、子爵領でも人材はいるでしょうし、人材確保はあちらで行うでしょ?何せ事がうまくいけば子爵領は大いに発展しますしね。」


こうして子爵領での日本製を基にした物の販売が行われる運びとなりました。

最初は複製品を。そして下着・衣類等は現地で布を織り、裁断・縫製等を行う事になったようですが、まあ任せておきましょう。

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