第370話 見てはいけないものを見てしまった!
ヘイマンス子爵との会談が終わり、ゲートをどこに設置しよう?そう悩みつつ、僕は引き揚げます。
一応ゲート自体は、仮置きで子爵邸に置いています。
僕はあまり詳しくないのですが、アーダが主導し王都にゲート場なる建物があるそうで、そこにゲートを設置してあるんだそうな。
そして僕もそのゲートに登録してあるうちのいくつかを、常に持ち歩いているんです。
非常時の脱出、今回のように誰かに渡す場合、等々。
僕はそのゲートで移動をしてもよかったのですが、折角なので少し町を見てから帰ろうと、そう思って子爵邸から町の中心地に向かっていたのですが、そこで思いがけない人を見かけてしまいました。
元リーマンの野郎ども数人の集団。
この世界では黒髪は珍しく、しかもそんな集団が歩いていればいやでも目立ちます。
そして、その歩き方が内またになって、なよなよした歩き方とでもいうのかな?上手く思いつかないのですが、一言で言えば、よく女性が歩く歩き方というべき?
それが男の集団がそんな歩き方をしているものですから、僕は何故か思わず股間を押さえてしまいました。
あ、念のため、性的な意味ではないですよ?
防衛本能とでも言いますか、彼らはチョッキンの刑で玉がないんです。
なので思わず僕は彼らみたいになりたくないからと、無意識に隠したんです。
「なんですかあれは?気持ち悪い!」
同行者はそう言って不快感をあらわにします。
彼は罪を犯した、そしてチョッキンの彼らをこの町に連行してくれた人のうちの一人。
うわ、夢に出てきそう。
そして僕は、これらの事が重なり、本来の目的を忘れたまま、領地へ引き返してしまいました。
・・・・
・・・
・・
・
僕はアーダとザーラと話し合いを持ちます。
「ヘイマンス子爵領か。旦那様の意向でゲートを設置しておらなんだが、今後は置くようにしよう。そして二ホンの商品は、今後子爵領で販売できる販路を持つように交渉しよう。」
どうもアーダの考えでは、子爵領で単に販売するだけでなく、子爵領でも商品の生産を行う、という考えらしいです。
あれ?複製して済ますのではなかったの?と思ったのですが、これにはザーラが答えてくれます。
「子爵領は魔力が乏しいのよ、旦那さま。」
「そうなんだ?だけどそれは何の関係があるのかな?」
アーダとザーラが顔を見合わせています。
何か変な事を聞いた?
「もしやと思うが旦那様、スキルでの複製、何が元になっておるか気が付いておらなんだのか?」
え?どういう事?スキルで複製したんでしょ?
「そもそも無からアイテムを作り出すことなどできぬ。それはわかるだろうか?」
「ああ、わかるさそれぐらいは。」
「それでじゃな、旦那様の複製スキルは、代価に魔力を求めておるのじゃ。幸いな事に王都周辺はダンジョンが多数存在するからの、魔力は常に充満しておる。むしろ過剰だの。それ故複製するに実はもってこいなのだ。」
つまりは複製したアイテム、実は魔力から出来上がっていた、という事?
うーん、ちょっと理解ができないかな?
この後アーダとザーラは僕に熱く複製について語ってくれましたが、さっぱり理解できませんでした。
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