第341話 厄介な罠

このダンジョンの厄介な所はまだ確定していませんが、いくら自身とそのパーティが気を付けていても、先に進んでいる他のパーティがへまをすれば、運が悪いと自分たちがそのとばっちりを受けるという。


「順平さん、これってもしかしてあまりよくない状況かな?」

友郁が不安そうに聞いてきますが、うん、かなりやばいねこれ。

「そうだね、僕達がいくら気を付けていても、他のパーティが発動させた罠を止めるすべは・・・・ないよねきっと。」


すると今後は泉が、

「どうしましょう?看破で罠の位置自体はわかると思いますが、発動する罠は私達の位置より遥か先からでしょう?発動自体を止める術は今の私達にはなさそうですし、このままでは発動している罠の中を進んでいかないといけないのかしら?」


そうなると厳しい気がしますが、どうなのかな?

それにこの罠の仕組みも気になります。


気になって周りを見ていると、柚奈と瑞華は何やら2人して話し合っている様子。


オイヴィは難しい顔をしているし。

「何か球をこの先に転がしてみるのも手ではないか?」

え?この中でオイヴィは冒険者として一番長く活躍しているし、オイヴィ以外は皆召喚に巻き込まれた面々。

そんな彼女がそう言うのだから、何か考えがある?


「どうせこちらで罠を警戒しても意味をなさぬのだ。なら大きめの球を先まで転がしてみるのも手ではないかと思っただけだ。」


でもこれで別の場所の罠が発動したらどうなるの?

「オイヴィ、言いたい事はわからないわけじゃないけど、こちらで発動させてしまった罠って、どうなるの?」

「今の所は、罠を発動させてしまえば自身に降りかかるはず。今問題にしておるのは、先行しているパーティだ。先の罠はこちらに連動し、こちらの罠もこちらに連動するという、面倒な仕様になっているようだ。」


「ごめんよくわからない。つまり今発動している罠って、遠方のパーティが発動させたけど、罠の近くではその罠を僕らが発動させしまう可能性もあるって事?つまり罠のスイッチが一つの罠につき、2か所かそれ以上ある、という事かい?」


「その通りだ。だが、解せぬのは我らの居る場所には他の罠の起動させる部位が存在しておらぬという所だな。」


「オイヴィ、其れってつまりこの仕掛け自体が罠?」

「そうやもしれぬし、違うかもしれぬ。どうやら思ったよりえげつない罠のようだ。気を引き締めぬといかぬようだ。」


その後警戒しながらも、念の為罠はすべて回避し進んでいきます。


一本道のまま階段があり、その階段を下っていくと少し開けた場所に出て、左右と前に道があります。

つまりここは十字路。

うわ、いきなり?


「これは厄介だ。マッピングせねばなるまい。」

「マッピング?」

「ああ、今いる場所を把握しておらぬと、いざという時迷う。」


現在地がわからないと、戻れなくなるかもしれない?

こんな場所で迷子は勘弁ですね?

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