第340話 罠だらけ?

「そこも駄目!」


これで何度目か?

かれこれ20回ほどまでは数えてたけれど、諦めました。


それほど罠が多いこのダンジョン。


単純なまっすぐ?な一本道と思っていただけに、これでは気が抜けない。

ただ、罠の発動があっても、大したダメージにはならないものばかり。

もしくは行く手を阻んでくるだけ。


そう思っていると、時々前方から、知らない間に罠が発動していたりして、焦る事も。

え?罠にかかってないよ?


そう思っていたのですが。


「どうやら遠方と連動している罠のよう。これは厄介。」

オイヴィがそう言うけれど、どういう事?

「つまりは今このダンジョン、常山殿の家臣の選考のため、数多の冒険者が入り込んでいるはず。」

「そう聞いてます。ユハニがダンジョンの調査を選考の判断にするために、課題を与え皆その課題の達成の為にダンジョンを調べているようですね。」


僕は知り限りの事をオイヴィに伝えます。


「実力はどうなのか知っているのか?上位の冒険者もいると聞き及んでいるが、そうではない冒険者もいるだろう?そもそも冒険者だったか怪しいメンバーもいるように見受けた。ダンジョンの探索に慣れていないメンツばかりのパーティなら、このダンジョンは厳しすぎる。それだけならいいがこのように足を引っ張り、他のパーティを危険に晒す結果となる。」


何の事を言っているのかな?僕も冒険者としては未熟。そもそもダンジョンなんてそんなに知らないし?


「色んな事情でここに集まってくれた、家臣に加わりたいという面々のうち、今回は冒険者登録をしている人のみをダンジョンに行かせたらしいし、一応確認はしているようなんだけど、オイヴィ、足を引っ張るとはどういう事なのかな?僕も冒険者としての経験はあまりないんだ。」


「説明は難しいのだが、例えば先ほどからこちらがまだ通過しておらぬ先から罠が発動しているだろう?」


「ああうん、それは気になった。何か踏んだとかそういのなかったはずだけど。」

いまいちオイヴィが何を言ってるのかわからない。それに以前向かったダンジョン、罠なんかなかったんだよね。

しいて言えばボス部屋?

ボスを仕留めない限り部屋から出られないとか。


「先行している何処かのパーティメンバーが、罠を踏んだか発動させてしまっているのだ。しかもそのパーティには実害がなく、敢えて気にせず進んでいるかもしれぬし、全く気が付いていないかもしれない。」


え?もしかしてその罠って、こうして全く関係ない場所の罠が発動するとか?


ある意味えげつない。

いくら自分たちが気を付けていても、とばっちりでこちらの罠が勝手に発動してしまうとか。

「それって何か対処方法はあるの?」


「あるにはあるが、もはや手遅れだ。」


「手遅れって?」


「皆が一塊になって進むしかない。それもメンバーに罠を看破できるものがいないと話にならぬがな。ここは・・・・ハズレのダンジョンのようだ。ただ、最後まで攻略をすれば何やら良いアイテムを手に入れられるやもしれぬがな。それも他のパーティを危険にさらしながら、だが。」

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