第296話 店や旅館・・・・え?娼館まであるの?
ヘルトラウダに連れられ、街の中を見回っています。
色々話し合って区画等を決めていたようで、街がある程度機能的になっていて、いい感じです。
住宅街に商業施設の集まり、歓楽街に遊戯施設や集会場、教会や学び舎等。因みに領主の住む周囲には、家臣や身分のある人々、金持ち等が住む区画になっているそうな。
身分のあるってそう言う人達も来ているの?
公園や公衆浴場もあり、更には娼館まであるそうな。
「え?何で娼館がいるのかな?」
「ええ?絶対必要ですよ?色々あると思いますが、特に男の犯罪の防止に役立つんですよ。」
「そうなのですか?逆に犯罪が増えそうな気がするのですが?」
「それは管理の仕方によります。隠れて運営すると、犯罪の温床になりかねませんが、領主公認であれば犯罪組織・裏組織・反社会勢力・秘密結社等言い方も色々あると思いますが、それらの介入を許さない、健全な運営であればむしろ各都市、国でも推奨しているのですよ。」
そうなんだ、知らなかった・・・・
「ある程度お金さえ払えば、性欲をためずに済みますし、そう言った場所が無ければ、ややもすれば往来を行く女性を攫い欲望をぶつけ、最後にはバレない様殺してしまう。昔からよくある話なので、そう言った事を抑止するためにも、効果があるのです。それに最初からこの街は、犯罪が起こりにくい街づくりを行っておりますから。」
この領地は、良くも悪くも人が住んでいなかったので、何をするにも計画的に建物の役割を決める事ができるようで、修復後に手を加える時それを見越して改修、修繕をするのだとか。
壁の中には基本居住区がある。
そして外には・・・・広大な農地が広がっている。
え?どうやってこれだけの事を?
用水路も張り巡らされています。
妻達が頑張ってくれたようですね。
感謝です。
そう、感謝なのですが・・・・
一体どうやってこれだけの用水路を、しかもきちんと機能しているようですし、しかしながらこういうのはきちんと計算しないと何処かに無理が出てしまうような。
勾配とかを考えないと流れないですし、何処かに溜まってしまったりとかありえますし。
下手したら逆流だし。
それと、何故か下水処理がなされていて、元々どうやらこの壁の周囲・・・・地下に張り巡らされていたようで、昔からあったんだ?
え?まさかと思うけど、フェンリルが巣にしていた場所って・・・・?
【ち・・・・違うぞ!決して汚物を処理する場所ではない!そもそも繋がっておらぬではないか!】
そう言われると、繋がってない?
まあいいんだけどね。
【何が”まあいいんだけどね”だ!よくない!】
まあその、自分の住んでいた場所が、便所とか言われたら、気分が悪くなるよね?その、察してあげられず、ごめんね?
【主よ、わしらの巣を未だ便所と思っておるのか?絶対違う!】
この事を言い合うのはやめておきましょうか。
何だか不毛な論戦です。
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