第286話 そう言えば何故戦った場所を放置していたのか・・・・

「あ、ちょっと気になるんだけど、いいかな?」


泉が僕を見て、

「ええと順平さん、何でしょう?」


「何故魔王の息と分かったの?」


僕がそう聞くと、


泉だけではなく、あの時あの場にいた全員が僕に

”え?”


って顔で見てきてえ?何か変な事を聞いちゃった?


「え?何かおかしな事を聞いた?」


「いえ・・・・もしかしてあの時気が対いていなかったのかしら?そう思っただけですわ。」

??

何だか変です。

そう・変なんです、みんなの反応が。


「その・・・・何故僕が呪いではなく状態異常だと気が付いたのかなあ?あ、でもね、それ以前に何故魔王の息と分かったのかな?」


僕は単純に聞いただけなのですが、


まず友郁が遠い目をしています。

え?なんで?


そして泉は何故かは分かりませんが怒っている?

突然険しい目つきを・・・・その、美女がそんな顔つきをすると、それはもう、元がきれいな顔立ちだから、恐怖心しかないんです。


「ぐ・・・・順平、もういいだろう・・・・思い出したくもない・・・・だからあれほどあそこに近づきたくなかったのだ!」


柚奈が意味深な事を切れ切れに言ってます。

「そんな事を言っても順平さん分かってないですよ?」

「ええと瑞華、一体なんだい?」


「う・・・・私もできれば思い出したくないんですよ?」

「え?そんな悲惨な出来事だったの?」


あ・あれ?何か聞こえる?


「・・・・ったのですわ・・・・」

「え?ええと泉・・・・何かな?」

「臭いのよ!魔王の息って物凄く臭かったのよ!私達が何故バリケードを築いたかわかるかしら?何故って・・・・魔王って息もそうだけど、体臭も・・・・加齢臭が凄かったのよ!これ以上近づかれると困るから、ああやって防いでいたのよ!とどめ?無理無理!あんなくっさいおっさんに近づくとか精神的に死んでしまうわ!」


泉が壊れてしまいました。

「なんであんなにくっさいのよお!!!!多分足の裏もくっさいのよおおお!!!!」


「あ、その落ち着こう?」

僕は泉を抱きしめ、落ち着かせます。

なんかスンスンと臭いをかいでるみたいだけど、え?まさか僕もくっさい?

「ああ・・・・これ!この匂いよ!やっぱり李順平さんからはいい男の匂いがするわ。」


大丈夫なんだろうか?臭いフェチ?


暫くして落ち着いたようなので、話を聞くと、


どうやら魔王の息には、何らかの成分か、もしくは魔法の何かがあるようで、魔王の息を少しでも吸い込んでしまうと、何らかの状態異常になるみたい。


それと、魔王を撃退した後、あの部屋に入らなかったのは、魔王の体臭がしつこく残っていて、消え去るまで待っていたらしいです。知らなかった。


魔王・・・・風呂入ってるかい?

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