第287話 魔王の臭いと戦っていたの?

魔王の臭いがくっさいとか。


僕はその泉の言葉に衝撃を受けました。


まさか、魔王が去った後、あの場所に誰も立ち入ろうとしなかったのが、まさかのくっさい加齢臭、くっさい息、くっさい体臭とか。


僕は自身の臭いをかいでみますが、これって自分ではわからないんだよね。


「順平さん、大丈夫ですわ。先ほどもたっぷり順平さんを嗅ぎましたけれど、順平さんのは、素敵な匂いですから、むしろ興奮しますわ!」


ええとその、何ですか?え?手?

泉は何故か僕の手を取り、

う・・・・スカートの中に入れていきます。

うわ・・・・びしょびしょ。


何がってそれは言えませんが。


「順平さんの匂いを嗅いだらこうなってしまいましたわ。」

その、流石に今はそんな時じゃないよね?


「まあそういう訳で、あの臭いには閉口しましたの。臭い消しを大量に投入しても消えないんです。」


まさかのあの罠の放置がこんな理由だったとは。魔王、ある意味恐ろしや!


「浄化では消えなかったの?」


「ええ。使った時は消えたような気がするのですが、気が付けば部屋中に充満していて。」



あれ?並行世界の魔王はそんなのなかったはずなんだけど?

これもまた変化なのでしょうか?


あ、今はそれの話ではないですよね?


「まあその、今は臭いの事は置いていいかな?その、魔王の息のせいでいま状態異常になっているのなら、魔法で何とかなる?」


「それは問題ないのですが、順平さん、一応書面が出来上がるまで待って下さいね?」


友郁がそう言ってますが状態異常・・・・本人がそれに気が付いていないとかある意味恐ろしいです。

これは意外と難しい問題では?


まさかと思いますが、魔王と言うのはこういった状態異常を多用するのでしょうか?

今後はマスクを用意して戦いを挑まないといけない?


・・・・

・・・

・・


ヘルトラウダが用意した書面。


まあかいつまんで言えば、僕が今の状態から治療をした後、16人の妻との関係をそのまま・・・・つまり僕が以前のハーレム状態を嫌って、別れるとか、そう言うのを防ぐ内容です。

まあ、今更やっぱり駄目ですとかもはや言えない状態だしね。


早速サインをします。


すると、何だか体に何かが入り込んだ感じがします。何ですかこれは?


「これで安心ですわ。では早速治療を開始しましょうか?」

ヘルトラウダがそう言ってきます。

「治療ってどうするの?」


「回復魔法と、状態異常の回復魔法、エリクサーを同時に使います。これは、魔王と対峙した全員が対象になりますわ。」


で、今から治療を開始します。


回復魔法と、状態異常の回復を、それぞれ数人ずつで唱え、それとは別にエリクサーを活用する事を全て同時に行うという。


因みに魔法は広範囲の魔法を使うらしく、うまくいけばいいのだけど。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る