第285話 何かと便利な並行世界
「このまま調べるのはリスクが大きいので、並行世界で調べましょう。」
泉が提案しています。
皆それが良いとか頷いたりしていますね。
そして暫くすると、雪華と麻矢がやってきて、
「順平さん、準備が整いましたよ?」
「ええと麻矢、何の準備かな?」
「並行世界、みんなでするんでしょ?」
「なのであちらに用意しました!」
「雪華、何で装置持ってんの?」
「え?突っ込むのそれ?妻は全員所持してますよ?その他にも色々と。」
もしかして全部複製してた?何時の間に・・・・。
「わかったよ。このままもし何かあったら、問題になりそうだからね。」
僕は雪華と麻矢に
引っ張られ、移動します。
ヘルトラウダとアーダ、ザーラは書面作成をやっているので、それ以外の妻全員で向かいます。
・・・・
・・・
・・
・
「じゃあこれをみんな装着して・・・・現実世界で一時間ほど・・・・ただあまり深く潜ると後が大変だからその辺は考えないとね。」
全員とすり合わせをし、頭に装置をセットします。
今回は僕は基本される側なので、ベッドで寝ています。
「僕は寝ます。並行世界では起こしてもらって構いませんが、必ず並行世界の出来事と教えて下さい。現実と混同しますので。」
・・・・
・・・
・・
・
「・・・・さん・・・・順平さん、起きて下さい・・・・」
うん?
誰かが僕を揺すっています。
目を開けるとそこには友郁の顔が。
「あ、僕寝てた?」
「それはもう・・・・あ、涎が!」
友郁が僕の口を拭いてくれます。
そんな友郁を見て僕は・・・・
「ゆ・・・・友郁・・・・」
「あ・・・・駄目ですよ順平さん・・・・皆が見てますって!」
え?僕は周りを見渡しますが、う・・・・皆さんじっと見てますね。
「あ、その、ここは現実?」
「そうですよ、ほら、頭の装置も外してますし?」
僕は頭を・・・・あ、ない!
「それで、もう並行世界は終わったの?」
「え・ええ・・・・もう終わったと言ったらいいのかしら?」
何だか歯切れが悪い言い方・・・・何かあったのかな?
こういう時やはり泉に確認すべきですね。
「泉、どうなんだい?」
「え?私ですか?ええとですね・・・・」
何をそわそわとしてますが何か問題が?
「順平さんその、何が原因であの冥王夫妻が呪いと言っていたのかは、すぐにわかったんです。」
「わかったの?」
「ええ。どうやら私達も含め、魔王と戦った全員、何らかの状態異常になっているのですわ。」
「呪いじゃなく状態異常?」
「ええ。どうも理性の・順平さんの場合、複数の女性と関係を持つのを嫌がるという、理性ですね、それが働いていたのですが、魔王はどうやら自身の息で、そう言った理性に影響を及ぼす何かを吐き出していたようで・・・・まあこれは多分なのですけれど、広範囲に影響があったのでそう仮定しましたわ。」
魔王の息でそんな事に?
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