第252話 さらに奥には見慣れない建物が・・・・

ここは、並行世界で僕らが隠れ住んで、かつこの周辺で修行をした場所で間違いないようです。

フェンリルの縄張りだったとは。


だけど、並行世界ではフェンリルを見かけなかったし・・・・どうして?

あ、まさかと思うけど、魔王にやられてたりする?


可能性としては、王都を滅ぼした後も魔王はあちこち破壊をしていたので、その折、ここを通って、フェンリルと対峙、仕留めてた?


まあもう並行世界では確認できないから。


だけど何か違和感があります。


なんだか少し違うような?


そう思っていたら、友郁と泉が2人して奥の様子を見に行っていたようで、走って戻ってきたんだけど、何だか興奮しているみたい?


「あっち・・・・あっちに・・・・知らない建物がある!」


え?友郁何それ?


「才村さん落ち着いて?順平さん、ここから少し奥に向かうと、この建物よりさらに立派な建物があるんです・・・・確か並行世界で見たのは、ただの瓦礫が地面に散らばっていただけだったわ。」


すると今度は別の所を見に行っていた柚奈と瑞華も急いで戻ってきました。


「順平!あちらに建造物があるぞ!あれは知らない建物だ!」

柚奈も興奮してまくし立ててきます。

「古手さん、それじゃあ伝わらないと思うわ?あのね、順平さん、何て言うのかな?屋外ステージ?みたいなのがあるのよ?半ば崩れてるけれど?」

雪華と麻矢は・・・・アーダ達に目の前の建物を説明してくれています。


僕はこの違和感を含め、妻達・・・・う・・・・まだ妻って言うのに慣れないけれど、一度集めて、その知らない色んな建物やらを見てみようと思案します。


「あ、ちょっとみんな集まって!」


ここで友郁達の報告を皆に話します。


「・・・・とまあ、知らない建造物があるようだけど、並行世界ではなかったんだ、確かに。あったら知らない訳がない。そしてその、友郁達が見た場所は、確かただの瓦礫しかなかったはずなんだ。」

僕が一度言葉を止めると、泉が意見をしてくれます。


「では順平さんは、並行世界の時は、何者かによって破壊されてしまったと考えているのではないかしら?」

「うん泉。そしてね、僕は思ったんだ、ここはフェンリルの縄張り、だけどフェンリルは並行世界ではここに現れなかったんだよね。で、考えられるのは・・・・」


「魔王の襲撃ね?」

「うん、泉もそう感じるよね?そして・・・・その時の戦いで、この周囲は、この目の前の建物だけ偶然?残ったけれど・・・・他の建物は、その時破壊されたのではないかと思ってね。」


ここで皆押し黙ります。

僕も思ったんだけど、じゃあ今のフェンリルはどうして助かったの?

並行世界では、万全な状態の魔王と戦った結果、フェンリルは殺されてしまった?

今回魔王は僕の魔法で結構ダメージあったし、それでフェンリルは何とか逃げ切れたのでしょうか?

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