第218話 そう甘くはないと
僕は魔法陣のある場所まで進んでいる間に考えました。
さっきコピーした魔法陣、もし何かしら、例えば布に、地面に、コピーしたのを書き込み出来れば、どうなるのだろうかと。
そしてここで僕の考えが間違っている事に気が付きました。
これ魔法陣とのセットだよね?
つまり、魔法陣の方も常に書き換わっているのではないか、と。
だからさっきのは意味がない?
じゃあどうするべきなのか?
さっきみたいなコピーは恐らく侍女さんではできないでしょう。
ではやり直しですね。
だけど、さっきのタイミングでコピーすればいいので、無駄ではなかったはず。
ではどうしたら上手くいくのでしょう?
僕が急いで2回コピーする事に?
まず魔法陣に入ってコピー。
そして地上に出たらすかさずコピー。
上手くいくのでしょうか?
まあ行くまで何度もここまでくれば行動あるのみ!です。
まあ、まずは並行世界でまた試してみましょうか。
・・・・
・・・
・・
・
また魔法陣の所にやってきました。
さて、やりますかね。
僕は今この場に残ってくれていた侍女さんに身を任せ、並行世界をまた使います。
今回は魔法陣のコピーがうまくいくかを確認するだけなので、一回当たりの並行世界は短く済みそうです。
そして、僕が魔法陣に入って、魔法陣に変化があったので、すかさずコピーを。まあ、あらかじめ屈んでたんだけどね。
そして、視界が変わって、魔力の流れに変化が見えたのでまたコピー。
これでできていればいいのですがどうでしょうか?
僕は2つの魔法陣を見比べるべく、大きな布を取り出します。布団のシーツですが、まあいいでしょう。
侍女さんが手伝って下さり、広げた布に複製を行います。これを2つ。
そして結果を見比べますが、うん?
何だろう?この2つから同じ魔力の流れを感じますが、すぐ消えました。
兎に角コピーは行けそうですね。
僕は一度で成功したので、並行世界を終え、いよいよ魔法陣の複製を開始します。
そしてあれ?侍女さんの顔が近いですよ?
「あ、もう起きられますか?」
どうやら膝枕をして下さり、僕の様子を見ていてくれたようです。
「さっきはありがとう。僕が向こうへ戻れば、今回はもうここには用がないので、皆さんも戻ってきて下さい。」
「はい、常山様。」
僕は現実世界での複製をはじめます。
・・・・
・・・
・・
・
結果は、上手くいったというべきでしょうか?
並行世界と同じタイミングでコピーを取り、布に複製をしました。
ただ、発動はしませんでしたので、何かが足りないのでしょう。
それは恐らくエネルギー。
この世界で色んな事をするには魔石?魔法石?
魔力のこもった石を使うようで、主に魔物がドロップします。
そう言えばギルドで買い取ってもらう?今は鑑定中のドロップ品の中に、魔石が大量にあったはず。
魔石は念の為回収しておきましょうか。
僕は侍女さんを引き連れ、魔石を受け取るべくギルドへ向かう事にしました。
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