第211話 城へ連行されました・・・・

「ではアーダ様、ザーラ様、1週間後にもう一度お越しくださいまし。」


受付のお姉さん、ヘルトラウダさんがそう言ってお辞儀をしています。

つまりまあ、鑑定するにしても、仕分けやら色々数が多すぎて、すべてのドロップアイテムを把握し、金額を確定するのにこれだけ時間がかかる見通しらしくて。


「わかった。そちらの良いようにしてくれ。一応普通のドロップアイテムはそちらで処理してもらって構わぬ。マジックアイテムや特殊なアイテムは手元に残してくれ。こちらで後は判断する。」


「かしこまりましたわアーダ様。」


ええとアーダさん仕切ってますが、貴女このドロップアイテム関係ないよね?僕の従魔が魔物仕留めて、他のクランメンバーがそれを回収したんですよ?


そんな僕を見て何か気が付いたのか、ザーラ姫が僕のそばで一言ささやいたよ、悪魔の囁きを。

「考えたら負け!」


もうすでに負けてるんですよね、僕。考えなくても負けですかそうですか。


こうして女性陣にがっちりと拘束され、城へ連行されました。


・・・・

・・・

・・


結局数日で城へ戻る羽目になってしまいました。どうしてこうなった?


【魔力が安定しておらぬが大丈夫か?】


フェンリルが心配してくれてます。

そういえばこの親子、名前ってなんだっけ?

いつもフェンリルと、息子と呼んでたよね。

【我に呼び名などない。好きに呼べばよい。】

そうですか、僕こういったセンスないんだよね。


思いついたのが・・・・

色が、毛が白いから”シロ”そしてペットの代表格”ポチ”そして極めつけが”太郎”


ふう。どう僕のこの名付けのセンス。

【最悪だな。もっと自分を見つめなおしたほうがいい。】


何故か変な事を言われます。

ふう、しばらくはフェンリルと息子でいいでしょう。


そして、女性陣は今から緊急会議があるとかで、僕は一人部屋に取り残されました。

一体今更何の会議なんだか?


折角なので、何かしようと思い立ちます。


僕は並行世界で半ば断念していた、移動の手段の改善を考えます。

単純に個人で移動するなら、今回はフェンリルがいるのでもう解決しています。


ですが、並行世界でやろうとしてできなかった、どこ▲もドアみたいな移動手段、まあ異世界物やファンタジーの世界の読み物でよく出てくるゲート、これをできないか試した事はあるんです。


だけどできなかったんです。

だけど今は並行世界の時と状況が違うわけで。


あの時何か見落としはなかったな?

そして今、あの時と何が違うのか、色々ありすぎてまずそこから取っ掛かりを?

僕はふと思いついた事があるので、できるかわかりませんが、試しに作ってみようと、いろいろ思案し始めます。

ここは、移動したい場所にそれぞれゲートを置き、その2つの間を行き来できる何かができないでしょうか?


一方通行では不便ですからね。

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