第202話 時間軸をずらすという荒業

引き続き森江中心のお話です。



森江泉は、侍女を含め声をかける。

すると驚くほど人がやってくる。


何故かアルノルト王子・もうすぐ国王、そして女子高生にアプローチしている王子でいいのかしら?2人もやってくる。

因みに一人は成人しており、もう1人は多分14歳。


まあ今は放っておきましょう。


「今からどうすべきかの説明をします。」


一部使った事のない侍女がいるので、一から説明。


そして今回の意味は、


「未来視のスキルを、こうして多数で共有することで、何か変化があるのではと考え、皆さんに協力をお願いしました。可能であれば、順平さんが未来視を見るタイミングをこちらで先に把握し、何を見ていたか知りえる事が出来れば。」


「細かい説明はいいわ。さ、早くしましょう!」


古手さんが早くするようにせかします。


「皆さん、いいですか?もし何か異変があれば、即装置を外して下さいね。では。」


森江は装置を起動し、自信が中心となってスキルを発動。

だがここで問題が。

まだ森江は体調不良から脱却できておらず、そのせいで上手くスキルを発動できないでいた。

そのせいで、意図せぬ事が。


装置を使用している全員が何らかのスキルを発動したからだ。

森江は混乱した。

だが、結果的には順平の未来視が見えた。

見えたというか、

どうやら何かのスキルの影響で、順平の未来視に入り込み、未来視を操作?いえ、違う、これは本来未来視であるはずなのに、その未来を書き換えてしまえる?

実際には起こらない未来を見せる事ができる?


森江は考える前に実行した。


【アーダさんとザーラ姫は今から古手さんと矢坂橋さんと口論をして下さい。古手さんが日本に戻せよと詰め寄るんです。【え?何どういう事?】】

【今皆さんは装置で意識を共有しています。そして、どうしてか順平さんが視る未来視、書き換える事が出来そうなので、今その内容の一部を書き換えます。】


そして暫くアーダさん達と古手さん達の口論が始まる。無論演技。


【そこまででいいですわ。】


こうして順平は知らず、未来視の一部は森江によって意図的な事になっていたのだった。


そして自身も自殺の真似を。

意識の中なので、実際には自殺しないのだが。


・・・・

・・・

・・


数日後に結果が出るであろうと。

だが、数日を待たず、ダンジョンの魔物が暴走。スタンピードが発生したのだ。

これは、森江は順平達に連絡を取る口実が出来たので、連絡を取る。

出たのは才村さん。


才村さんにスタンピードの事を話したが、順平は倒れていて身動きが取れない。


なので、起きたらこちらに来てほしいと連絡をする。

更には、

【順平さんはスキル中毒のままなのですね?】

【そうなんです。全然よくならなくて。】

【その、アーダさんが解決方法を教えてくれたのですが。】


そしてどうしたらいいのかを伝える。


ですがこのままでは順平さんは森江を抱いてはくれないだろう。

否、抱きはする。ただしそれだけでは中毒の改善が見られない。

なので、一芝居を打つ事に。

そうは言ってもこれも未来視で見えた結果なのだが。


つまり順平が一人で王都へ戻る。森江を抱く。

その後才村さんにも急ぎ戻ってもらう。


だが、色んな事に悩み、森江は自殺を。

これは薬を使い、仮死状態になるというものだ。


結果、順平は死んだ?血だらけで仮死状態で倒れている森江を見てスイッチが入り、

スキル中毒耐性を得るというものだ。


結果は成功したのだが、

何かがおかしい。


それは、アーダをはじめとする、順平を狙っている女性陣が色々と決めごとを作りつつあったからだ。

その一つとして、


並行世界で一緒に過ごした侍女を中心に、並行世界で一緒に行動しなかった侍女を複数人ずつでのダンジョン攻略パーティを組織し、スタンピードに対応するというものだ。

結果を残せばという限定でだが。


俄然張り切る新たな・・・・サラリーマンに散々な目にあった侍女たちが・・・・女性達。

そうは言ってもその大半は有力貴族との婚姻を優先してもらえるというものだ。

元が貴族の娘。中には侯爵や公爵の娘もいる。

当然王家への婚姻もあり得る訳で。


順平が覚醒した後、王都周辺のスタンピードは急速に収まっていくのであった。














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