第194話 Side 森江泉 その6
王都には複数のダンジョンが存在するようで、もう収拾がつかないらしく、私は思わず常山さんに連絡をする事にいたしました。
で、出たのが、才村さん。
2人が向かった先でも魔物が暴れてるようです。
今は怪我人に治療を行い、、従魔?ペットみたいなものかしら?その従魔が魔物を駆逐しているのだとか。
常山さんは、スキルを使いすぎてまた倒れたとか。大丈夫かしら?よくわからないまま力を使ってしまったのでしょうね、しかも人の為に。
翌日、目を覚ました常山さんと連絡が取れ、彼が来てくれることになりました。
私の心臓は再びドキドキしっぱなし、少しでも早く会いたいと、其ればかりが頭に。
そして彼は意外なほど早くやってきました。
私は恐らくここから来ると見当をつけていたので、その、2人が出ていった門の周囲はある程度調べ尽くしました。こんなに早く常山さんが戻ってくるとは思ってなかったのですが、その、色んな宿もチェック済み。
そして彼は現れました。
「順平さん!」
私は思わず下の名前で呼んでしまい、そして抱きしめ・・・・られてます?何故かキスもして下さいます。うれしい!しかし恥ずかしいわ。
私も抱き返してしまいましたが、はっと我に返ります。
ですがその、欲望には勝てず、彼は少しだけ離れ、再び戻ってくれて。
ですがその、順平さんの様子がおかしいんです。
何か目が、そう目が変なんです。順平さんの目を見ると、何かが見えます。
じっと見るとそこには、不幸な結果の私と、幸せに過ごす私と才村さん?しかもそれぞれ子を抱いています。
え?これは未来視?
確か並行世界で、あまりにも燃費が悪いのと、身体の負担が大きすぎてほとんど使わなかったはず。
それが今?
で、今にも倒れそうな順平さん。
私は順平さんに肩を貸し、何とか歩いてもらいます。
そして、門から目星をつけていた宿へ、自然に向かってしまいます。
で・宿に入ってその・お風呂に誘ったところ、あっさり了承。こんなにとんとん拍子でいいのかしら?
2人して服を脱ぎ、一緒に入浴。これはちょっと恥ずかしいでは済まない、大人な時間ですわ。
風呂を出てお酒を少したしなみ、いい雰囲気に。
思わずベッドへ誘ってしまいます。いけないと思いつつ、なんてはしたない女なのでしょう。
何故かあっさり受け入れてくれる順平さん。
この後、何度も肌を重ね、愛し合います。
幸せを身に感じていたのですけれど、順平さんと話をすると、ここで驚きの事態に。
あろう事か、順平さんは才村さんの事をすっかり忘れ・といいますか、認識していない?
別に嫌ってとかではなく、才村さんという存在を頭の中から消し去った、そんな感じ。え?どういう事かしら?
急いで才村さんに連絡を取ります。
順平さんは才村さんと話をしても覚えていない様子。
ですが、だんだんと思い出せたようで、記憶が繋がった?
そしてまた順平さんは未来視を発動してしまいます。
ここで見たのは、暴漢に襲われ、悲惨な事になった才村さんと、その後の王都での悲劇。
悲劇というのでしょうか、あれは魔王という恐ろしい存在と、その部下?部下が襲撃から去る時、何か撒いて行った。その影響かしら?
その所為で城では色々おかしな事になってしまう?
再び倒れる順平さんを、膝枕しつつ、急いで才村さんにこの事を告げ、王都へ急ぎ戻るように伝えます。
目が覚めた順平さんは、何かそう、憑き物が落ちたかのような、すっきりとした表情です。
本人も頭がすっきりしたと言っているので、何かあったのかしら?
順平さんが良くなったのは嬉しいのですが、才村さんが戻ってきます。
うう、私は何て事をしてしまったのでしょう。順平さんが才村さんとお付き合いを始めたのはわかっていましたのに、体の関係になってしまった私と順平さん。
これでは才村さんに会わす顔がありません。
更に追い打ちをかけるように?
もうすぐ才村さんは王都へ到着すると言うではありませんか。
「あ、その、やはり宿には誰か残っていた方が。」
別に残らなくてもいいのでは?お金払ってるし、と思ったのですけれど。
「そうかい?じゃあまあ、迎えに行ってくるけれど、本当にいいのかい?」
「ええ・その、ごめんなさい。」
「まあ、泉がそう言うのなら、すぐに戻るから、待ってて?」
「ええ、ここにいます。」
順平さんは私と迎えに行こうと言ってくれますが、とてもじゃないですが行けないです。
どの顔をして才村さんと会えばいいのか。
私は断り、この場に残るように言い含めます。
納得してくれたのかどうか、順平さんは才村さんを迎えに出向きました。
私は誰も居なくなった部屋に私が一人に。
ああ駄目、私は赦されない事をしてしまった。
どうすれば赦してくれるかしら?いえ、赦してもらう事を考えている時点で駄目です私って。
ああ、そう言えばさっき見た未来視ですが、あれがそう?そうですよね。やはり赦されないわね。略奪なんて。
私はカバンの中を探し
ナイフを取り出し、手にします。
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