第174話 SIide 友郁 その4

順平さんが無茶しすぎて困ってしまう。

しかも並行世界で無茶をしてから、随分と変わってしまいました。

どうやらスキルが増えすぎた影響で、体と心、両方に恐ろしい負担があるようで、時々自身の身体を顧みず、無茶をします。


そんな中、よく分かりませんが、この世界にはダンジョンが存在し、そのダンジョンには魔物が居るようです。


そして、本来はダンジョンの魔物は、ダンジョンの外に出ないらしいのですが、今街の外にはダンジョンから魔物があふれ、冒険者をはじめ多数の人が襲われて、街の・今はギルドに運ばれています。


つい先ほど私達もそれを聞きました。


その後ギルドのおじさんの娘さんが、私達を迎えに来ました。


そして、ギルド内に入っていきましたが。

もう怪我人で溢れかえって、悲惨な事に。

既に事切れて、お亡くなりになったいる方も見えるようで。


そんな中、ギルドの方が順平さんに回復魔法を使って欲しいと言ってきましたが、これは一人では無理。

順平さんがポーションを用意する様に指示を出し、見た目一番酷そうな、途中で見かけた、顔が半分爛れてしまった女性の元へ向かいます。


顔はおろか、体半分が焼けただれ?服も半分溶けてしまってます。

もう虫の息。どうやったらあんな悲惨な事に?


そんな中順平さんは回復魔法を使います。

幸いな事に、この女性はまだ息があり、見事に回復をしました・・・・が!

服が溶けてなくなっていたので、この女性の胸や体が丸見えに!


急いで布を出し、かけます。

ですが、この女性、起き上がろうとしたので、彼女の体には布をかけただけですから、当然と言えば当然。

順平さんの目の前で、再びはだけ・・・・


「きゃあ!」


と言って咄嗟に隠してましたが、こちらがきゃあと言いたいのですよ。


そんな折、1人の愚か者が順平さんに難癖をつけてきます。

腕を折っただけの軽症者を、先に回復させろとそれはもうしつこく。

そしてついには私の方を掴んできます。


それを見て順平さんは切れてました。


その後も順平さんは私の制止を振り切り、回復魔法を使いまくってます。

届いたポーションを、2つ同時に飲んじゃったので、これは流石に止めないと。


そう思っていました所、順平さんは終に自身の力では立てなくなり、私が支える事となりました。


一時的に順平さんは意識を失いましたので、何とか寝かせようとした時、順平さんのポケットから何か振動が伝わってきましたので、確認すると、

遠方とのやり取りの出来る魔道具が。


順平さんから、王都で何かあるといけないと、森江さんにだけ渡していると聞いていたので、

何か王都でも?もしかして同じような?


そう思い、順平さんには申し訳ないけど、私が出ます。


《才村です。森江さんですか?》


《あ、出てくれたのですね、よかった、森江です、才村さん。その、申し訳ないのですが、常山さんは今おられますか?》


《あ、言いにくいのですが、今此方は怪我人が続出していて、順平さんは回復魔法を使い、無理をしてしまい寝込んでいます。》


《あ、もしかして、スタンピードがそちらでも?》


《あ、はい、ダンジョンから魔物があふれ、大変です。王都でも?》


《そうなんです。それで常山さんにお知らせを、と思いまして。》


《今は無理なので、できれば明日まで持ちこたえて下さい。それまでに何とかそちらに行けるようにします。》


《あ、ありがとう、才村さん。》


こ、これは、今日が勝負ね!


今は森江さんから順平さんを勝ち取れてますが、順平さんは森江さんの事も気にしているのを知っています。

うん、今の順平さんなら、きっと。

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