第173話 大切な友郁

僕は友郁に支えられ、ギルドを後にします。


何やら僕が凄い事になっているらしく、誰も引き止めませんでした。

で、昨日泊まった宿へ友郁は連れていってくれます。


「いらっしゃいませ、ってきゃあ!一体どうされたのですか?」


昨日と同じ女将さんだね。


「今は安定してます。同じ部屋を貸して下さい。」


友郁が何か言ってます。

「友郁、ここは昨日の?」


「今日の朝までいましたよ?同じ部屋でいいかしら?」


「ああうん、女将さん、昨日の部屋2人でお願いします。」


「あ、はい。え?綺麗になった?」


友郁が僕に浄化をかけてくれたみたいだけど。あ、もしかして治療中に相手の血が付いてた?

現実は僕の鼻や耳、目から血を流していたので、酷い有様だったようです。


「お会計でございますが、二回目のご利用と言う事で、前回と同じ金額にさせて頂きます(あら?何で?)。」

僕は金貨を取り出し、女将さんに渡します。


昨日と同じ部屋なので、友郁は僕に肩を貸したまま、部屋に向かいます。


そして、


「順平さん、お風呂にしましょ?」


僕は友郁にされるがまま、風呂に入ります。


ぼーっとしながら見ていると、

やっぱり友郁の肌は綺麗だなあ。


そんな事を思いながら、友郁の言われるがまま風呂で体を洗ってもらったり、湯船につかったり。。



風呂から出て、僕はベッドに横になろうとすると、


友郁が何かベッドに敷いていいますが、シーツ?

僕また汚しちゃう?まあ浄化があればいいじゃないかと思ったけど。


ベッドに横たわると、友郁がやさしく抱きしめてくれます。


ああ、何て優しいんだ友郁は。そして気持ちいい。


「順平さん、無茶はしないで下さいね。」

「うん、心配かけたね。だけど、まだ僕、スキルを詳しく調べてないんだ。並行世界でのスキルと、その後の今のスキル、何だか違ってね。」


「うん、何だか随分順平さんに負担がかかってるわ。なのに私は何もできていない。」


友郁が泣き出すので、僕は抱きしめます。

「そんな事はないよ、僕の友郁。」

「順平さん・・・・」


・・・・

・・・

・・


気が付けば、僕は裸で、同じく裸の友郁を抱きしめてました。


「順平さん・・・・好き・・・・」

友郁が僕にキスをしてくれます。

「僕もだよ。」


僕は、トイレに行きたくなったので、起き上がると、

シーツが血で真っ赤に染まっています。

あ・・・・もしかして?

「嬉しかった・・・・」


僕は友郁を抱いていたようです。

トイレに行って、戻って、再び友郁を見ます。


少しずつ落ち着いて。だんだん記憶が戻ってきます。


僕は、友郁を抱いてしまった?


「並行世界で経験してたけど、やっぱり今のが一番です。」


そして何故か友郁は、シーツを仕舞ってます。

「ふふ。私の初めての思い出ですから、大切にしまっておくの。」


「痛かったんじゃ?」


「それも含めて嬉しいの!」


何やらご機嫌な友郁でした。


そして、ずいぶん時間が経ってから、ヤッてしまった!と。

もっと雰囲気のある場所でしてあげるべきだったのに!と後悔する順平だった。


その後の友郁はもう、僕にべったりで。


だけど僕は、今のままではもっと傷をつけてしまう。ちゃんとスキルを検討しないといけないです。

とかずれた事を考えてしまって。


僕は友郁を幸せにできるのだろうか?そんな資格が?

そう思ってしまうのだった。


「私は幸せですよ?」


友郁は僕の心を読めるようです。

やっぱり彼女はエスパーですか?

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