第155話 魔獣
僕は鑑定でその仔犬を見ます。いや、すでに仔犬じゃないと思うけど、仔犬としておきましょう。
そして鑑定の結果・・・・
種族:フェンリル
状態:幼体
・・・・フェンリル?
そう言えば並行世界では見かけなかったけど・・・・
これ幼体って出てるけど・・・・
僕はこの時背筋に恐ろしい予感がして、冷や汗が出ました・・・・
幼体・・・・
つまり親がいる訳だ・・・・
しかも近くに。
「友郁・・・・やばい・・・・フェンリルの幼体だ・・・・」
友郁は分からないようだ。
「順平さん?フェンリルって何ですか?」
・・・・異世界物やファンタジー知らないと、わからないよね・・・・
「ああ見えて、ドラゴン並の強さだ・・・・まあ親が、だけど。」
「ええ?ドラゴン?龍ですか?」
・・・・まあ・・・・そうとも言える?
「あそこに幼体がいるって事は、近くに親がいるはずなんだ・・・・その親は恐ろしく強いはず。」
僕は周囲を調べ始めますが・・・・
う・・・・頭が痛い・・・・ここにきてまたもや痛みが・・・・?もしやスキルを多用すると痛みが出るの?
「じゅ・・・・順平さん?顔が真っ青ですよ?」
それでも周囲を調べる・・・・
すると・・・・少し離れた場所に何かがいる・・・・
動いてないけど、まだ息がある?
僕はその・・・・フェンリルの幼体をじっと見る・・・・
【そこのヒト、我の声が届かぬか・・・・?】
??
【あ?誰?】
【目の前のちっこいのだよ・・・・】
僕はどうやら念話っぽいのでこの幼体と意思疎通を行っているようです。
【あ・・・・僕は君達に敵対するつもりは・・・・ないよ?】
【ほう・・・・他にもいるのがわかるかヒトよ。】
【そっちに・・・・君の親かい?身動きが取れないように感じるけど?】
【ああ・・・・先ほど魔王とやりあってな・・・・我は力を失い、何とか回復したのだが。そして・・・・そこに倒れておるのは・・・・わが父じゃ。】
・・・・魔王はここを通ったの?
【ええと・・・・どうしてほしい?】
【そなた・・・・治療はできるか?】
【できない事はないと・・・・思う。】
【では頼む・・・・】
そしてこの仔犬・・・・もどきは、しっぽを振り振り友郁の元へと可愛らしく歩んで・・・・あ・・・・危ない!と思ったけど・・・・
「きゃあ!やっぱりかわいいワンちゃんじゃない!ほら、って・・・・くすぐったい!」
友郁が手を差し出し・・・・この仔犬もどきは手を舐めてる・・・・
【この娘の思考を読んだ。こうしてほしいようだからの・・・・仔犬とやらの真似をしておこう・・・・】
【フェンリルの誇りとか、ないの?】
【親が生きるか死ぬかの瀬戸際なのだ・・・・そんな事を言っておる時ではないわ!】
さよですか・・・・
そして駆けだしたわんこを友郁が追いかける・・・・
「ワンちゃんどこ行くの?」
そして・・・・唐突に友郁が足を止めた・・・・
目の前には立派なフェンリル・・・・ただ、血だらけで大きな怪我を負っているようです・・・・が、横たわっています。
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